蹴球探訪
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【大リーグ】イチロー男泣き3000安打 ローズに並んだメジャー最速16年目2016年8月9日 紙面から ◇マーリンズ10−7ロッキーズ【デンバー穐村賢】イチの目に涙−。メジャー3000安打にあと1本としていたマーリンズのイチロー外野手(42)は7日(日本時間8日)、ロッキーズ戦に6番中堅で先発出場。第4打席に三塁打を放ち、偉業を達成した。16年目のメジャー3000安打(史上30人目)はピート・ローズに並ぶ史上最速となり、野球殿堂入りは確実。生涯忘れることのない一打の直後、イチローの目から一筋の涙がこぼれた。 偉大な男の前では敵も味方もない。歴史的瞬間が訪れたのは、7回1死走者なしで迎えた第4打席だ。救援左腕・ラスンの内角のカットボールをたたくと、高々と舞い上がった打球は右翼フェンスを直撃する。ボールが外野を転々とする間に、快足を跳ばしたイチローは滑ることなくスタンディングトリプル!! 球場全体が興奮のるつぼと化したメジャー3000安打だ。 「全く(本塁打は)狙ってない。イメージではホームランになったらいいなとか考えますけど、そんなに甘いもんではないというのも分かってますし、ただ打球が上がった瞬間は越えてほしいと思いました」 三塁ベンチからチームメートが一斉に飛び出してくると、柔和な笑みを浮かべて一人一人と熱い抱擁。ヘルメットを掲げて歓声に応えた背番号51は「僕が何かをすることで、僕以外の人たちが喜んでくれることが、今の僕にとって何より大事なことだということを再認識した瞬間でした」。意外といっては失礼だろうか…。ベンチに戻ると、サングラスの下からは一筋の涙が頬をつたった。 金字塔を打ち立てたイチローの脳裏に真っ先に去来したのは、2005年に他界した恩師・仰木監督の姿だった。「神戸で2000年の秋に、お酒の力を使って僕が口説いたんですけど、その仰木さんの決断がなければ何も始まらなかった」。イチローの野球人生に大きな影響を与えた師匠の存在。2000年オフに、ポスティングシステムでのメジャー移籍を容認してくれた仰木監督とのやりとりを思い出すように、イチローは視線を遠くに向けた。 偉業を達成しても、希代の安打製造機の貪欲な姿勢が失われることはない。3000安打達成後に迎えた9回の第5打席。結果は四球となったが「できればホームランを打とうと思いました」。50歳までの現役続行を公言するイチローの、さらなる高みを目指す挑戦はまだまだ続く。 PR情報 |