2016-08-08

[]敗者復活

 海中における最強者地位から転落したアノマロカリス類似生物の仲間は、その体格をどんどん小さくしていった。

 最盛期には2mに迫っていた最大種の体長は完全に海サソリの餌に落ち着く頃には30cmを下回っていた。

 それでも生きている限りは生きていかなければならない。

 不運にも触腕をもたずに生まれてきたあるアノマロカリスモドキは

先祖伝来の高速性をひたすら逃げることに利用して生きてきた。

 ある時、彼女雑魚ナメクジウオの群による海面の暗さから方向を見失って

サソリから逃れ、海面を割って空中に飛び出してしまった。

 そして、複雑な生物で初めて空を飛ぶ動物になった。

 水中で培われた高速性に、遊泳に優れたフォルム三次元運動を処理するのに慣れた頭脳

アノマロカリスモドキの飛行(滑空)を支援した。地面効果も揚力を補った。

 空飛ぶアノマロカリスモドキの姿はまるで宇宙船のよう。あるいはモビルアーマーであった。

 やがて彼女意図的に飛行をするようになり、子孫は自分たちで作り出した水面上空のニッチ支配した。

食料となるのはもちろんオキアミなみに豊富雑魚ナメクジウオ。なぜなら彼らもまた特別存在からです。

 口の周りに雑魚ナメクジウオを漉しとって食べる白い小さな触手を無数に生やした空飛ぶアノマロカリスモドキ。

ヒトは彼らのことをマシュマロカリスと呼ぶ。

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