菅義偉官房長官は8日の繰り上げ閣議後の記者会見で、中国海警局の公船延べ14隻が5日から8日にかけ沖縄県の尖閣諸島周辺の領海に侵入したと発表した。領海の外側の接続水域に最大で14隻が入り、現時点で12隻が航行している。6日には安倍晋三首相が「関係省庁が連携し国際法と国内法令にのっとって冷静かつ毅然と対応すること」を指示していたことも明らかにした。
首相はこのほか米国をはじめとする関係諸国との緊密な連携と国民と国際社会への的確な情報提供を指示した。菅長官は「現場では海上保安庁が体制を増強して対応している」と強調。「引き続き中国側に事態をエスカレートさせないよう強く求めていく」と語った。
外務省は8日未明、中国公船が7日夕から夜にかけて沖縄県の尖閣諸島周辺の領海に相次いで侵入したと発表した。領海の外側の接続水域に12~14隻が航行しており、一部が領海に出たり入ったりしているもようだ。
外務省の石兼公博総合外交政策局長は7日夜、中国の郭燕駐日公使に「累次にわたって厳しい抗議をしているにもかかわらず、中国側が現場の緊張を更に高める一方的な行動をとっていることは断じて受け入れられない」と2度抗議。金杉憲治アジア大洋州局長も同日深夜、郭氏に抗議した。
海上保安庁によると、14隻の中国公船が同時に接続水域を航行するのは、日本政府が2012年9月に尖閣諸島を国有化して以降、数として最大規模となる。周辺には中国漁船も多数航行しているもようだ。