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【大相撲】

元横綱・千代の富士の告別式に1000人 ファンも最後の別れ

2016年8月8日 紙面から

告別式を終え、九重親方(手前右)ら弟子たちの手で運び出される元横綱千代の富士で先代九重親方のひつぎ=東京都墨田区の九重部屋で

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 7月31日に膵臓(すいぞう)がんのため61歳で死去した元横綱千代の富士で先代の九重親方(本名・秋元貢)の葬儀・告別式が7日、東京都墨田区の同部屋で営まれ、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)ら約1000人が参列し、最後の別れを惜しんだ。

 九重の名跡を受け継いだ元大関千代大海(40)は、告別式の最後で「平成4年11月、初めて師匠に会った時、圧倒的なオーラと鋭い眼光を感じた。それから24年。ここまで育てていただいた。悲しいが、師匠の教えは弟子の体に焼き込まれている」とあいさつ。

 先代親方を乗せた車が部屋を出発すると、駆けつけたファンが涙を流しながら「千代の富士」「大横綱」「ウルフ」と声援を送った。斎場に向かう途中には、両国国技館に立ち寄り、栄光の土俵に最後の別れを告げた。ひつぎの中は、故人が大好きだったカトレアの花でいっぱいになった。カトレアは冬が旬だが、関係者が全国から取り寄せたという。

 角界以外では、10日にリオデジャネイロ五輪出発を控える日本レスリング協会の栄和人強化本部長(56)が参列。「同じ国民栄誉賞受賞者として、吉田沙保里を大変かわいがっていただき、7月2日の壮行会では、ビデオでメッセージをくださった。優勝するのが何よりの供養」と金メダルどりをあらためて誓った。球界からは原辰徳前巨人監督(58)が姿をみせ「われわれの世代の大ヒーロー。先日、あるパーティーでお会いした時は、おやせになったな、と心配していたが」と声を詰まらせた。

 先代九重親方は現役時代、史上3位の31度の優勝。1988年には、双葉山の69連勝に次ぐ昭和以降で2番目となる53連勝(当時、2010年に白鵬が63連勝)をマークしたほか、同2位の通算1045勝など数々の記録を残した。89年には相撲界では初めて、国民栄誉賞を受賞した。

 同日は新潟県上越市で夏巡業があり、部屋の力士以外は欠席。あらためて九重部屋後援会主催の「お別れの会」が10月1日午後1時から、両国国技館のエントランスで開かれる。 (前田道彦)

 

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