産業技術総合研究所(産総研、茨城県つくば市)は8日、兵庫県赤穂市を中心とした相生市や岡山県備前市の一帯で、約8200万年前の地層にカルデラの痕跡を見つけたと発表した。恐竜が生息していた時代に火山噴火ででき、規模は国内2番目となる阿蘇山(熊本県阿蘇市)のカルデラに匹敵。再噴火の恐れはなく、特有の凹状の地形は残っていないが、地震に強い地盤を形成しているという。
カルデラは火山活動で形成された陥没地形で、同研究所によると、今回見つかった規模は南北約16キロ、東西約21キロ。赤穂市全体に及び、相生市や岡山県備前市の一部も含むという。
約9万年前までにできた阿蘇のカルデラ(南北約25キロ、東西約18キロ)とほぼ同規模。形成時期がはるかに古いため、特有の凹状地形は見られず、風化によりできた土地に現在の市域があるという。
産総研は2011年、中国地方の地質図を作製する一環で赤穂市の調査を開始。計約200日かけて市内を巡り、崖や谷に残る約8200万年前(白亜紀後期)地層で、噴火による陥没やマグマが流れた痕跡を発見した。(西竹唯太朗)
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