元島原市長「被災者への気持ちが表れていた」

元島原市長「被災者への気持ちが表れていた」
天皇陛下がお気持ちを表されたことについて、平成3年に長崎県の雲仙・普賢岳の被災地を天皇陛下が訪問した際に案内役を務めた元島原市長の鐘ヶ江管一さん(85)は「被災者や戦没者に思いをはせられる気持ちが表れていました」と話しました。
天皇陛下は平成3年、噴火災害で大勢の犠牲者が出た雲仙・普賢岳の被災地を皇后さまと共に訪問されました。即位にあたって「現代にふさわしい皇室の在り方を求めていきたい」と述べた天皇陛下は、この訪問の際、避難所の床に膝をついて、被災者と同じ目の高さで言葉をかけられました。

鐘ヶ江さんは、そのときの天皇陛下の様子を鮮明に覚えていて、「ネクタイや背広をとり、ワイシャツをめくって床に座りながら被災者一人一人を慰め、励まされていました。その行動に被災者みんなが驚き、『どうして自分だけ被害に遭うのか』という暗い気持ちから『頑張らないといけない』という気持ちに変わったと思います。そのときのことは一生忘れることはできません」と当時を振り返っていました。

鐘ヶ江さんは、天皇陛下がお気持ちを表される様子を自宅のテレビで静かに見守り、「被災者や戦没者に思いをはせられる気持ちが表れていました。これまで国民のためにありがとうございました。今後は、体を大事にされて皇后さまと共に幸せに過ごしていただきたい」と話していました。