宮内庁は8日午後3時、天皇の位を皇太子さまに譲る「生前退位」の意向を周囲に示していた天皇陛下が「象徴としてのお務め」についてのお気持ちを示したビデオメッセージを公表した。陛下は自身の衰えが進むなかで「全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが難しくなるのではないか」と懸念を表明。憲法上の立場から直接的な表現は避けながらも、将来的な退位の意向を強くにじませる内容となった。
また、天皇に代わり皇太子さまが国事行為を行う「摂政」については「天皇が十分にその立場に求められる務めを果たせぬまま、生涯の終わりに至るまで天皇であり続けることに変わりはありません」と否定的な考えが示された。
お気持ちは7日夕、お住まいの皇居・御所で収録された。8日午後、宮内庁のホームページに掲載される。天皇陛下がビデオメッセージを公表するのは、東日本大震災後の2011年3月以来、2回目。
現状では天皇に退位は認められていない。政府は陛下のお気持ち表明を受け、内閣官房に置く皇室典範改正準備室を中心に、生前退位を含め、対応について議論を進める方向だ。(島康彦、多田晃子)
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