ロシアをパラリンピック参加停止に ドーピング問題で

  • 2016年08月8日
リオでは来月、15回目のパラリンピックが開かれる Image copyright Getty Images
Image caption リオでは来月、15回目のパラリンピックが開かれる

国際パラリンピック委員会(IPC)は7日、リオデジャネイロ・パラリンピックからロシア選手団を除外することを決めた。ロシアが国家主導のドーピングを行っていたとする報告書が先月提出されたことを受けた。

ロシア・パラリンピック委員会はスポーツ仲裁裁判所に提訴するとしている。

一方で、国際オリンピック委員会(IOC)は先月、リオ五輪へのロシア選手団の参加を認める判断を下している。

IPCは、「ロシア・パラリンピック委員会は、IPCの反ドーピング規定や世界の反ドーピング規定の順守と執行を、彼らの管轄下において保証することができない。またIPCのメンバーとして基本的な義務を果たすことができない」とし、「その結果、ロシア・パラリンピック委員会の資格を即時停止する」と述べた。

ロシア・パラリンピック委員会のエフゲニー・ブカロフ氏はBBCに対し、「残念だし、とても衝撃を受けている。IOCはクリーンな選手の権利を守り、ドーピングに関与した選手のみと戦う決断をした」と語った。「組織委員会のメンバーと話し、ロシア・パラリンピック選手団、選手やコーチたちがどう反応したかも見た。彼らは決定に非常に不満だ。ここに来るために過去4年間、努力の限りを尽くした人が突然参加できないと告げられたとすれば、不満だろう」。

ブカロフ氏はさらに、「悲劇なのは、選手がズルをしようとしたのではなく、国家が選手に対しズルをしたという状況だ。ロシアのスポーツ界をむしばむドーピングの文化は政府から来ている」とし、「ロシア政府はパラリンピック選手たちの期待をひどく裏切った。『倫理よりもメダル』というメンタリティーにはうんざりする」と述べた。

カナダの法学教授リチャード・マクラーレン氏が主導してまとめられた世界反ドーピング機関(WADA)独立委員会の報告書は、2011年から15年にかけて、ロシアのスポーツ省が選手らの尿検体を操作していたと認定した。

報告書は、パラリンピックの8競技(うち5競技が夏季)に関連した27の検体について操作があったとした。

リオ五輪をめぐっては、IOCがWADAの勧告を無視する形でロシア選手団を除外しなかったことで、幅広い批判を招いた。

(英語記事 Rio Paralympics 2016: Russian athletes banned after doping scandal

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