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「象徴の務め 案じる」 天皇陛下「生前退位」で思い

 天皇陛下は8日午後3時、象徴としての務めについてのお気持ちをビデオメッセージで表明し、生前退位の実現に強い思いを示された。82歳となり、次第に進む体の衰えを考慮し「全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが難しくなるのではないかと案じています」と語り、国民に理解を求めた。

 公務の重要性を強調し「象徴天皇の務めが安定的に続いていくことをひとえに念じる」とした。

 実現には、皇室典範の改正などが必要となる。政府は既に水面下で検討を進めており、法整備に向けた議論が本格的に始まる見通しだ。

 憲法上、天皇は国政に関する権能がないため、陛下は「現行の皇室制度に具体的に触れることは控える。個人として考えたこと」と断った。

 今回の表明の契機として、2012年に受けた心臓の冠動脈バイパス手術後に体力低下を覚えるようになり「従来のように重い務めを果たすことが困難になった場合、どのように身を処していくことが、国にとり、国民にとり、私のあとを歩む皇族にとり良いことであるか考えるようになった」と明かした。

 公務の負担軽減策による対応には「国事行為や、公務を限りなく縮小していくことには無理があろう」と言及。天皇の心身が重篤な場合に置ける摂政には「天皇がその立場に求められる務めを果たせぬまま、生涯の終わりに至るまで天皇であり続けることに変わりはない」と否定的な考えを示した。

(中日新聞)

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