JICAってなに? 関係者じゃないけど入っていいの?
市ヶ谷にある「JICA地球ひろば」というところで、珍しいエスニック料理を手軽に食べられるらしいって聞いたんですよ。
それも、安い! 美味い! 一人でも入りやすい!
ときたら、ぜひ行かねばなりません!
JICA(Japan International Cooperation Agency)は「独立行政法人 国際協力機構」。開発途上国への国際協力を行っている機関です。
そのJICAの運営する「JICA地球ひろば」は、一般に開かれていて、展示やセミナー、イベントを通じて、開発途上国やそこで暮らす人々のことを知ることができる場なのです。
場所は、市ヶ谷駅から徒歩10分程度。目の前には大日本印刷の巨大な社屋、裏手には広大な防衛省、そして高級住宅街でもあります。
「JICA地球ひろば」の建物もなかなか立派で、部外者がふらっと入ってはいけないような雰囲気ですが、堂々と入りましょう!
入ると正面に、総合案内があるので、そこで「食堂を利用しにきました!」と告げます。そして名前を書いて、ゲストパスを受け取ります。食堂は2階です。
せっかくなので、まずは1階の体験ゾーンを見てみましょう。
入場は無料。団体で予約をすると案内などをしてもらえるコースもあるのですが、一人でも自由に見学できます。
展示内容は期間によって変わります。
5月10日から9月11日までは、JICA地球ひろば設立10周年企画展「学び・未来・よりよい世界に!」。世界の学校に通えない、十分な教育を受けられない子供たちの問題を取り上げています。この立っている子どもたちの持っている本を開くと、彼らが学校へ通えない理由が書いてあるのです。
予備知識のない人でも、わかりやすく学べる可愛らしい展示です。
ゲームをしたり、
展示を見たりしているうちに、自然と色々な国への興味、関心が高まるのです。
月間特別展示コーナー。この時はトルコ共和国でした。
民族衣装を着てみることもできますよ!
そして、この企画に連動して、
トルコ大使館お墨付きメニューが食堂で食べられるのです!
さて、ほどよくお腹が空いたところで、食堂に行ってみましょう!
食堂「J’s Cafe」は世界のメニューが大充実!
おお、まさに社食!
こちらの食堂「J’s Cafe」は、職員、研修などで訪れる人、近隣に勤める人、土曜日は近所の子ども連れのママさんたちなど、多くの方に利用されています。昼食時は混み合って待ち時間が出来てしまうこともあるので、一般の人は、12時前か12時半以降がおすすめです。
訪問時のメニューはこんな感じ。
普通の日替わりセットメニューの他に、大使館お墨付きメニュー(680円)、エスニックセット(650円)があります。
「大使館お墨付きメニュー」があるのは隔月で、その他の月には「TABLE FOR TWOメニュー」という、一食につき20円が開発途上国の子どもたちの給食に寄付されるという定食があります。
「大使館お墨付きメニュー」の内容は週替わり、「エスニックメニュー」の内容は2日ずつで変わって週に3種類。
つまりは、エスニックメニューだけでも週に4種類食べられるということ。他にもカレー、パスタ、ラーメン、うどん、そばもあるので、毎日食べても飽きなそうです。
メニューは公式HPで公開されているので、行く前にチェックするのがおすすめです!
おお。「大使館お墨付きメニュー」はこれですね。
券売機で食券を買います。
さっそく「大使館お墨付きメニュー」と「エスニックメニュー」をポチッと。
ここで受け取ります。当然セルフサービスです。
お一人様に優しい、窓際の明るいカウンター席。
そして、これが本日の、「大使館お墨付きメニュー」!
▲「大使館お墨付きメニュー」ハラールマトンと白いんげん豆のトマト煮(680円)
彩りも鮮やかで美味しそうです!
こちらの食堂が現在のスタイルになったのは、「JICA地球ひろば」が広尾からこちら市ヶ谷に移転してきた2012年。展示と合わせて、色々な国の文化を紹介する一環となれば、という考えから一般に公開するようになったんだそうです。
料理長の三家さんにお話をうかがいしました。
「今回はトルコ共和国大使館の方に試食してもらいて、お墨付きをいただいています。イスラム教のしきたりに則ったハラールマトンと白いんげん豆をトマト煮にしてある、トルコでは一般的なメニューです。ライスはジャスミンライスをブイヨンで炊き込んでピラフ仕立てにして、アーモンドを散らしています」
──これはハラール食ですが、いつもハラール食があるのですか?
「いえ、そういうわけではないです。今回はたまたまトルコだったからですね。各国の特色のあるお料理をお出ししています」
ハラールマトン、大きくて柔らかくて美味しいです!
味付けはそんなにスパイシーではなくマイルドで、でもとてもバランスが良くて、いくらでも食べられてしまいそうです。
また、ピラフ仕立てのジャスミンライスもちょうど良い味です!
──エスニック料理といっても、全然辛くないですね?
「エスニック料理も辛いものばかりではないので。でも辛くしたい方には、調味料もありますよ」
上段左から、唐辛子、ビネガー、オリーブオイル、チリソース。下段はタイの調味料セット、砂糖、ナンプラー青唐辛子、ビネガー唐辛子、一味唐辛子です。
普通のラーメンなどに入れて味変しても良さそうです!
私はこの唐辛子をかけてみました。
けっこうドバッとかかってしまいました……。
でも、ピラフの味が結構しっかりしているので、辛さに負けないで美味しいです!
さて、今度は「エスニックメニュー」です。
▲「エスニックメニュー」ムケッカ デ ペーシェ(650円)
ブラジルのバイーア州の伝統料理。リオデジャネイロ・オリンピックを念頭においての登場です!
タラ、玉ねぎ、赤ピーマンをココナッツミルクとトマトとパームオイルで煮込んであります。
「ブラジルにアフリカ移民と共に入ってきて現地で一般化した料理です。現地だと干しダラを使うことが多いのですが、日本の場合は生の方が使いやすいので生のタラです」
付け合わせのフェジョンカリオカ。
「カリオカ豆をベーコンと玉ねぎを煮込んだ、ブラジルでは毎食出てくる味噌汁的な料理です。ご飯にかけてお召し上がりください」
両方ともかけてみました! タラは食べ応えのあるサイズです。
ムケッカ デ ペーシェはまろやかで甘みがある、誰にでも食べやすい味です。日本人の持ついわゆるエスニック料理のイメージとは違って、辛味も独特の臭みもありません。普通に家庭料理として出しても、子供でも美味しく食べられそうです。
フェジョンカリオカはベーコンの風味が効いていて、やはり味付けは優しい感じです。
色々な国の特別な日用ではない、日常的なメニューをほぼ日替わりで手軽に食べられる。
この「J’s Cafe」、なかなか貴重な食堂じゃないでしょうか。
ちなみにランチタイム以外は、こちらでコーヒーなどのカフェメニューがいただけます。
エスニック食材や紅茶なども買えます。
フェアトレード(開発途上国で作られた作物や製品を適正な価格で継続的に取引することによって、生産者の持続的な生活向上を支える仕組み)による製品も購入できます。オリーブオイル、カレー粉、飴、可愛い布製品など。お手頃価格で高品質なもの揃いです。
8月には、オリンピック開催国のブラジルを特集した写真展、セミナー、J's Cafeでのブラジル料理提供が予定されているそうです。
展示で世界の開発途上国のことを知り、食事でさらに身近に感じて、帰りにはフェアトレードのお土産を買って帰る。
ちょっと時間がある昼休み、こんな過ごし方もいいですね!
お店情報
JICA地球ひろば J’s cafe
住所:東京都新宿区市谷本村町10-5 JICA市ヶ谷ビル2階
電話番号:03-3269-2911
営業時間:平日10:00~17:00、土曜日10:00~15:00
ランチタイム11:30~14;00
定休日:日曜日・祝日
ウェブサイト:http://www.jica.go.jp/hiroba/
※金額はすべて消費税込です。
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