文化勲章の日本画家 松尾敏男さん死去

伝統的な技法を用いて花などの自然を豊かな色彩で描いた日本画家で、文化勲章を受章した松尾敏男さんが、肺炎のため亡くなりました。90歳でした。
松尾さんは長崎市出身で、17歳のときから昭和を代表する日本画家の1人、堅山南風の下で日本画を学び、昭和24年、23歳で院展=日本美術院展覧会に初入選しました。
当初は厳しい自然に生きる生き物の生と死を題材に絵を描いていましたが、50代になると、日本画の伝統的な技法で、花や風景などを写生する作品を多く描き、作風は、華麗な色彩と静かで深い精神性を感じさせると評価されています。
また、多摩美術大学の教授や日本美術院の理事長などを務め、若い人の指導にも力を注いで日本画界の発展に大きく貢献しました。
こうした功績から、平成24年には文化勲章を受章しました。
日本美術院によりますと、松尾さんはことしの春ごろから体調を崩し、今月4日、肺炎のため東京都内の病院で亡くなったということです。