イチロー「次へのやる気が生まれてくる」

イチロー「次へのやる気が生まれてくる」
通算3000本安打を達成したイチロー選手は試合後の記者会見で3000本目のヒットとなったスリーベースヒットについて「ホームランは全く狙っていないが、打球が上がった瞬間はフェンスを越えてほしいと思った。達成した瞬間、あんなにチームメートとファンが喜んでくれて、僕にとって3000という数字よりも、僕が何かをすることで、僕以外の人たちが喜んでくれることが何より大事なものだということを再認識した」と感慨深そうに話しました。
そして3000本を前にヒットがなかなか出なかったことについて「特にこの何日かは結構しんどかった。人に会いたくない、しゃべりたくないという時間もたくさんあった。僕はこれまで自分の感情をなるべく殺してプレーをしてきたつもりだが、なかなかそれもうまくいかない苦しい時間だった。これだけたくさんのファンや報道陣をここまで引っ張ってしまったのは申し訳なく思っているし、そのことから解放されたのは大きい。ふだんそこにあった空気が何となく乱れていたというのも感じていたし、あしたから平穏な日々が戻ることを望んでいる」と話し3000本安打というプレッシャーから解放され、ほっとしている様子でした。
そして、42歳での大リーグ史上2番目の年長記録での達成となったことについては「感触としては2年ぐらい遅い、ずいぶん時間がたったなという感じ」としながらも、「これだけ長い間、特別な時間を僕にプレゼントしてくれたというふうに考えれば、代打中心のこの使われ方もよかったなと今は思う」と話しました。
またイチロー選手は、感謝の気持ちを誰に抱くかという質問に対して、「3000本目を打ってから思い出したのは、このきっかけを作ってくれたオリックスの故・仰木彬元監督だった。2000年の秋に自分の大リーグ行きの願いを受け入れてくれた仰木さんの決断がなければ何も始まらなかった」と話し、目を潤ませる場面もありました。
最後にイチロー選手は「達成感や満足感は味わえば味わうほど前に進めると思っている。僕はきょうのこの瞬間とても満足だし、それを味わうとまた次へのやる気やモチベーションが生まれてくると信じている」と話し、次の3001本目のヒットを見据えていました。