OODA:PDCAでは生き残れない

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PDCAの問題点

変わり続ける世界で勝ち残るためには、PDCAでは弊害がありかえって事を悪化させます。

以下に紹介する、命をかけてオペレーションをしている軍隊で採用されている「OODAループ」と対比するとその優劣が明らかになります。

PDCA (Plan, Do, Check, Act)サイクルでは計画策定の時に過去の行動のフィードバックしか考慮しません。評価つまりチェックの時に至って現場からのフィードバックを聞きアクションを取りますが、計画して実行した後のことです。最初の計画の段階で現場と乖離した方針が決められてしまうと、方針転換をするのは余計な労力が必要となります。このPDCAサイクルを回している間に、致命的な事態に至るリスクがあります。

PDCAでは「想定外の予期せぬこと(Unexpected)」を見逃すリスクがあります。計画が前提にあり内外の環境の情勢判断をする過程がおろそかになっています。人間は潮目の変化に気づいても、それが何か納得しないと行動に移れない側面があります。行動の後のチェックで変化を気づいてもそれが何かを見極めることをプロセスとして定めておかないと組織として対応するのは難しいのではないでしょうか。

激変環境では、旧来から特に日本で重用されてきたPDCAでは生き残れません。


OODAループ

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PDCAにかえて「OODAループ」を回せるように組織を変革しなければなりません。

OODA(ウーダと発音します)ループとは、米国空軍パイロットのジョンボイドが提唱したマネジメントモデルで、これにより、朝鮮戦争では、味方一機が敵機十機を撃墜したと言われています。

その後米軍で全面的に採用され軍事の世界では標準になっています。絶対的な命令統制の軍隊がPDCAではなく、OODAを採用しています。

そして現在、企業での適用が進んでいます。

OODAに基づきビジョン・戦略方針管理(VSA)をする組織への改革が必要になっています。


OODAループの実例

変化を「感知(Observation)」し、「標定(Orientation)」することで「センスメイキング(意味の形成による情勢判断)」を行い、 それに基づいて「決断(Decide)」して「行動(Act)」するというループを最速で回転させます。米軍はそれによって成功を収めました。それと同じように企業もPDCAから OODAループに移行する必要があります。

軍事の世界のアナロジで説明します。現在、地球上で最強の軍隊が 米軍ですが、彼らはベトナム戦争の時代にはPDCAサイクルをベースに組織を運営していました。ホワイトハウスの「ウォールーム(戦略司令室)」で作戦指揮計画を立て、地球の裏側でそれを実行させるというやり方で動いていました。そして失敗しました。
911
911の時も「ウォールーム」から「シチュエーションルーム」に司令室の名前は変わったが、やっていることは同じでした。現場から離れた場所に幹部らが集まり、そこで議論して計画を立て、その計画を前線の部隊に実行させていました。依然としてPDCAを回し、そしてやはり失敗したわけです。
Bin Ladin

それに対して2011年のウサマ・ビンラディンの急襲作戦で米軍はまったく違うやり方を取りました。この時もオバマ大統領をはじめとする安全保障会議の責任者たちは全員ホワイトハウスの地下にあるシチュエーションルームに詰めていました。しかし、そこで議論をしていたわけではなく、最前線の状況をモニターで見ていました。現場と情報を共有し、その場で意思決定を下し、そして作戦に成功しました。


OODAモデルによる経営

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OODAループのコンセプトを経営の世界に適用して実績をあげているのが、OODAモデルです。

PDCAサイクルとOODAモデル
OODA Model

以下にOODAモデルに基づく経営改革の例を紹介します。


ネットワーク中心戦 NCW

パワートゥザエッジ P2E

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その後、OODAは、ネットワーク中心戦(NCW, network centric warfare)や、パワートゥザエッジ(P2E)などの概念に展開され、組織戦略に有効であることが立証されてきています。

時代は変わっています。現在、持続的な成長をし勝ち残っている企業は、OODAモデルで本質を見極めて経営をしています。

経営側の期待が先行し統制型になるPDCAを回している企業と差がつくばかりです。


自律分散型組織

ネットワーク型組織

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アイ&カンパニーは、OODAループをもとに勝ち残る企業が必要とする次世代の組織と業務モデルOODAモデルを開発し、大手先進企業に適用してきました。私どものクライアントは、抜本的かつ持続的な業績向上を実現させてきています。

OODAループを適用した組織が自律分散型組織やネットワーク型組織になります。組織についての詳細は「自律分散型組織」「ネットワーク型組織」を参照ください。


ビジョナリーカンパニー:ビジョンによる経営の実現

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OODAモデルの重要な要素に、ビジョンによる経営があります。詳細は「ビジョン・戦略・方針管理:VSA」を参照ください。


事業創成(イノベーション)方法論:RPAD

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イノベーションの実現(事業創成)においても、OODAループをもとに次世代の方法論:RPADを開発し、大手先進企業に適用してきました。詳細は「事業創成方法論:RPAD」を参照ください。


自律分散・業務改革方法論:PMQIR

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企業文化を改革し、生産性を抜本的に飛躍させる方法論が「PMQIR」です。詳細は「生産性向上/業務改革方法論:PMQIR」を参照ください。


第6世代経営戦略

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時代は、第6世代OODAを踏襲した第6世代経営戦略を導入する段階になってきています。私どもの提言、「第6世代経営戦略」を参照ください。

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