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<相次ぐ教諭の不祥事>チェックシートに個別面接… 再発防止に効果は? 頭痛める市教委「当たり前から始めなくては…」 /千葉

千葉日報オンライン 8月7日(日)10時54分配信

◆6月に3人懲戒処分

 千葉市内の学校に勤務する教諭が生徒への抱きつきや盗撮など相次いで不祥事を起こし、6月に3人が懲戒処分を受けた。再発防止に向け市教育委員会は、教職員が守るべき事柄をまとめたチェックシートを初めて作り、校長が教職員と個別に面接することに。不祥事の根絶に努めていくが、「シートに書かれていることは当たり前のことばかり。そこから始めなくてはいけない段階」(市教委)と、頭を痛めているのが現状。不祥事が続く“異常事態”に歯止めをかけられるのだろうか。

◆並んでいるのは常識的な事柄ばかり

 市教委は、シートを市立の全小中・特別支援学校の教職員約4300人に配布。教職員は、書かれた事柄を理解していればチェックマークを入れ、夏休み中に行う校長との面接に持参する。

 シートは「飲酒運転」「交通違反」「わいせつ・セクハラ」「体罰」「個人情報の取り扱い」「学校徴収金等の処理」「その他」の7項目で構成する。項目ごとにさらに細かい事柄に分かれ、例えば「飲酒運転」では「飲酒を伴う席に参加する時は、必ず車両を自宅に置いて参加している」、「わいせつ・セクハラ」では「個人的に児童生徒と学校外で会わない」などが確認事項になっている。

 市教委が言うとおり、並んでいるのは常識的な事柄ばかり。ここまでしなくてはいけないのは、市教委が問題の背景に教職員の「当事者意識の希薄化」があると考えているからだ。

 今までは問題が起こると、市教委が学校ごとに再発防止に関する文書を出したり、校長が個人に口頭で注意喚起してきた。しかし不祥事は減らなかった。市教委は、教師歴が浅い教諭を中心に「自分には関係ないと思っている人が多い」と指摘。個人単位でより踏み込んだ啓発をする必要があると判断した。「個別に文章を配り、面接まですれば、嫌でも当事者意識が芽生える」と担当者は話す。

◆ほとんどが教師歴10年以内

 昨年度~本年度に不祥事を起こした教職員は、ほとんどが教師歴10年以内。数年後には、市立学校の教諭の半数を教師歴10年以内の人が占めると推計されており、不祥事根絶のための意識付けは急務となっている。

 市教委は、シートを用いた面接を一度で終わらせず、定期的に行うよう各校長に要請している。ただ、面接内容や頻度は学校ごとの判断に任せるため、各校によって効果が違ってくると予想される。「不祥事は減るだろう」と息巻く市教委だが、均一な効果を期待するならば、責任を持ってリーダーシップを取っていくべきではないか。

 先月の懲戒処分は生徒への抱きつきや盗撮だった。教職員課の山下敦史課長は「不祥事のペースが早過ぎる。罪を犯せば重い処分を受けることをシートでよく分からせる」と話している。

最終更新:8月8日(月)10時6分

千葉日報オンライン

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