【Teamユキヤ通信】リオデジャネイロ五輪 2016新城幸也「粉砕骨折」だった ツール第1ステージ落車で負傷の左親指
リオデジャネイロ五輪の男子個人ロードレースに出場した新城幸也(ランプレ・メリダ)はレース後の8月7日、ツール・ド・フランス第1ステージで落車した際に負傷した左親指の検査を受けた結果、指先を粉砕骨折していたことが分かった。「Teamユキヤ通信」飯島美和氏が五輪でのレースの様子とあわせてレポートします。
◇ ◇
脱落する選手続出
リオデジャネイロ五輪自転車競技のオープニング競技となった男子ロードレースは8月6日、リオデジャネイロ市南東部のリゾート海岸コパカバーナをスタート。海岸線を西へと進み、1周24.7km、途中1.3km、平均斜度9.4%最大斜度17%というグルマリを4周した後、1周25.5km、途中2.1km、平均斜度6.8%のグロータ・フンダに山岳ポイントが設けられる周回を4周。さらに2kmにわたるパヴェ(石畳)区間を含み、アップダウンを繰り返すテクニカルかつタフなコースレイアウトで行われた。
序盤、8人の有力選手たちが逃げる展開でレースは進むが、最初の周回に入ると強豪国が動き、上りのたびにペースアップを繰り返し、メイン集団から脱落していく選手が続出。また、パヴェ区間でのマシントラブルやテクニカルな下りでの落車などが相次ぎ、同じく日本代表の内間康平も落車とパヴェ区間でのマシントラブルで途中リタイアとなってしまった。
「完全に自分の力不足」
生き残りをかける選手らはさらにペースアップし、ふるいにかけられるようなサバイバルレースに。144人の出走選手中、完走は63名しかいなかった。
新城は残り20㎞まで30人足らずのメイン集団に残るが、最後の周回で遅れ出し、優勝したフレッヒ・ヴァンアーヴルマート(ベルギー)から9分38秒遅れの27位でゴールした。
レース後の新城は「悔しい。そして申し訳ない思いです。本当に良い日本チームだった。内間は完璧にアシストしてくれたし、完全に自分の力不足で残り20km集団から遅れたので、ゴールに向かう間は悔しさしかありませんでした。
ケガをした僕を選んでくれた浅田(顕)監督はじめ、スタートラインに立つまでずっと自分をサポートしてくれた人たちの期待に応えられなかったのはとても残念です。今日から4年間でもっと強くなってリベンジしたい。4年後そのチャンスをもらえる選手でい続けるために、これからも頑張ります」と語った。
骨折、知らなくて良かった?
レースから一夜明けた8月7日、新城は選手村に設置されている施設を利用し、ツール・ド・フランスの第1ステージで落車し負傷して以来、ずっと痛みを感じていた左親指のレントゲン検査を行い、親指先端を粉砕骨折していたことが判明した。
「突き指にしては痛みが引かないので、おかしいと思っていた。もし、ツール中に骨折だと知ったら、走りがもっと消極的になってしまっていたと思うし、逃げて敢闘賞を取ることもなかった。知らなくて良いこともあるのかも(笑)」と、本人にとっては深刻な怪我ではないようだ。