真夜中のオリンピックは寝不足に注意!
オリンピックが始まりました!今日は朝から水泳の萩野公介選手が金メダルで幸先いいなあと思ったら、フェンシングの太田選手が2回戦で負けちゃったってよ・・・胸熱なイベントが始まって毎日が楽しいですよね。買っても負けても悔いのないよう頑張って欲しいです。で、柔道の話。
オリンピックは柔道じゃなくてJUDO
オリンピック種目で「ニッポンのお家芸」とも言われた日本の柔道。ここしばらくのオリンピックでは柔道の成績が振るわず、2012年のロンドンオリンピックでは金メダルは野獣こと松本薫選手のみ、とちょっと残念な結果でした。
だからこそ今回は頑張ってほしいなと思うんですが・・・気になる事が一つ。オリンピックの柔道は柔道ではなくてJUDOなんですよね。
日本の柔道は「一本」が基本、一本を取るために戦うと言っても過言ではありません。しかし、JUDOはいわばポイント制、レスリングに近いといってもいいかも。
審判をチラチラ伺う選手たち
JUDOの試合を見ていると気がつくことがあります。技を掛けた選手が技をかけ終わったときにチラッと審判を伺うんです。「いまのはポイント入ったの?」と確認したいかのように。これ、相手選手から目を離すことになり危ないと思うんですよね。もちろん選手全員ではないんですが、しばしば目にします。
ポイント制のレスリングなどによく見られる光景でしたが、JUDOまでこんなことになるとちょっと柔道じゃないよなあと思いながら見ています。
そもそも柔道には「残心」という言葉があるのを忘れたのかな?それとも知らないのかな?
注意を払い続ける「残心」
この言葉を最初に習ったのは剣道でした。激しく撃ちあったあとに自分では「一本だろう」と思っても決して気を抜いてはいけない、竹刀を下げてはいけないと学校で習いました。その時に聞いた言葉が「残心」です。
残心(ざんしん)とは日本の武道および芸道において用いられる言葉。残身や残芯と書くこともある。文字通り解釈すると、心が途切れないという意味。意識すること、とくに技を終えた後、力を緩めたりくつろいでいながらも注意を払っている状態を示す。また技と同時に終わって忘れてしまうのではなく、余韻を残すといった日本の美学や禅と関連する概念でもある。
技が決まったかどうかを審判に伺うのではなく、一本を審判が下すまでは相手との戦い、手を緩めてはいけないと思うんですよね。あの審判を伺う「チラッ」でどれだけの選手が逆襲のきっかけを作られたことか。
技を掛け、決まったと思った一瞬、油断した隙をねらって相手に逆襲されることがあります。そのため、勝負が完全に決まるまで注意を払い続けることが必要です。例えば、投技などで相手を投げたあと、投げた形のまま相手に意識を集中します。こうすることによって、次のどのような動きにもうろたえずにすみます。こういった意識と動きを残心と言います。
ガンバレニッポン!!
残心には違う意味もあります。
だらしなくない事や気を抜かない事や卑怯でない事であり、裏を返せば「美しい所作」の継続ともいえる。
相手のある場合において卑怯でない、驕らない、高ぶらない事や試合う(しあう)相手がある事に感謝する。どんな相手でも相手があって初めて技術の向上が出来ることや相手から自身が学べたり初心に帰る事など、相互扶助であるという認識を常に忘れない心の緊張でもある。相手を尊重する思いやる事でもある。
これ、まさにオリンピックの精神なんじゃないのかな。オリンピック憲章は9つの根本原則があるんですが、そのうちの6番目を読むとまさに残心の心だと思うんです。
6.オリンピック・ムーブメントの目的は、いかなる差別をも伴うことなく、友情、連帯、フェアプレーの精神をもって相互に理解しあうオリンピック精神に基づいて行なわれるスポーツを通して青少年を教育することにより、平和でよりよい世界をつくることに貢献することにある。
オリンピックってただどこかの国に集まってスポーツで国の名誉をかけて戦う、みたいなイメージですが、実はもっと奥深いものなんですよね。これを読むと「ああ、オリンピックってそういう意味もあるイベントなんだ」ってきっと分かってもらえると思います。
競技の間にでもチラッと読んでおくと、各種目、各選手を応援する気持ちが変わってくるんじゃないかな「日本だけ勝て!」ではない何かが生まれてくると思います!
でも・・・頑張れ日本!