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道路拡幅、敷地の寄付ゼロ 京都の密集地防災対策

 京都市内の密集市街地の防災対策で、市が管理する道路を増やすために2015年度に設けた補助制度の利用が、いまだに1件もないことが7日、分かった。市民が家を建て替えた際に敷地の一部を市に寄付してもらう代わりに、かかった費用を支援する制度だが、すでに土地を他の用途に使っていることなどが原因とみられる。市は利用を促すため、7月から補助の対象を広げた。

 密集市街地は老朽化した木造家屋が集中した区域で、災害時の避難・救助や緊急車両の通行に支障が出る恐れがある。京都市中心部には古くからの町並みが残り、道幅4メートル未満の「細街路」も多い。

 市は15年度、市内の密集市街地のうち、災害時に特に危険とされる11地区(357ヘクタール)で市民が道路から敷地を後退させた場合、門や塀の撤去費、測量費などを全額助成する制度を設けた。対象は交差点から交差点までの区間か、交差点から30メートル以上の区間。後退させた跡地を市が道路として管理するため、土地を市に寄付することを条件とした。

 しかし、後退で生じた土地に植木鉢や自転車を置いたり、車庫の一部として使っていたりするケースがあり、市が制度の利用を求めても断られてきた。整備範囲の土地所有者の大半から合意を得られたものの1人が反対し、制度の利用に結びつかなかった事例もあったという。

 市は7月から、市の管理道路に限っていた対象範囲を私道にも拡大した。道の両側の家などを建て替えた場合のみを対象にしていたが、片側だけでも可能にした。

 市まち再生・創造推進室は「道路の拡大は地域の防災力を向上させることにつながる。制度の趣旨を理解して協力してほしい」としている。

【 2016年08月08日 08時36分 】

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