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【ペット大好き】

片岡亮さんとみっくんら 小さな命を守る まるでお父さん

深い絆で結ばれた、片岡亮さんと愛猫の(左から)ナッツ、もぐもぐ、みっくん=千葉県内で

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★猫(オス 3匹、メス 2匹)

 ジャーナリストの片岡亮さんと五匹の猫は、深い命の絆で結ばれている。「母親の影響もあり猫好きでしたが、会社勤務をしていた若いころは出張などで家を空けることが多く、飼えなかった」

 しかしジャーナリストへ転身後、道に倒れている子猫を拾ったのが転機になった。その日、外出予定をすべてキャンセルして動物病院へ。

 「脱水症状と栄養失調がひどい。点滴治療をしても助かる見込みは小さいが、実費で治療しようか」と、獣医師に言われたという。

 提示された治療費は、当時の片岡さんの手取り収入の三分の二に近かった。でも猫を放っておけず分割払いでの治療を願い出た。「四日後に先生から電話があり、奇跡的に助かったと言われました」

 とはいえ狭いアパートはペット禁止。本格的に飼う決心がつかず、朝の出勤時に一緒に家を出て、帰ると猫が玄関前で待っている生活が続いた。しかし数カ月後に“事件”が起きた。

 みっくんと命名したこの猫が、交通事故に遭い、血だらけになってアパートに戻ってきた。動物病院で奇跡的に回復。その生命力の強さに感動した片岡さんは、自分の無責任さを恥じた。

 「ともに生きようと決意し、室内飼いができる広いマンションに引っ越しました。みっくんの遊び相手がほしいなと思っていたとき、衰弱している『ひめたん』を保護したのです」

 二匹は相性がよく、抱き合って寝るなど、見ているだけで癒やされた。二匹の猫との幸せな生活が四年間続いた十一年前のある朝、激しい鳴き声で目が覚めた。飛び出ると、処分されそうになっていた、生まれたての子猫がいた。

 「思わず引き取ると言ったけれど、育て方が分からない。動物病院でミルクの与え方などを教えてもらい、仕事も一週間休んで母猫さながらに面倒をみました」

 やがて目が開き、もぐもぐと名付けられた子猫は、片岡さんを「親」と認識。すると先住猫のみっくんが嫉妬の感情を示し、片岡さんをあたふたさせた。

 「まるで三児の赤ちゃんをもったシングルファーザーのようでした(笑)」

 一方で三匹の猫はツキも運んだ。片岡さんの仕事は順調になり、新聞の連載や週刊誌への執筆、テレビ出演などが増えていった。やがて庭付きのマンションに転居。里親探しの保護活動なども行うようになり、縁あって片岡家の子になったのがココであり、その一年後に現れたナッツと「ココナッツ」コンビに…。

 片岡さんの愛猫たちの話は尽きることがなく、時間の経過を忘れさせるほどだった。

 (文・宮西ナオ子、写真・圷真一)

 <かたおか・りょう> 1971年生まれ。千葉県出身、元格闘家。リングに上がりながら、取材活動を続けていたことのある異色のジャーナリスト。現在はさまざまなメディアで活躍中。

 

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