太田、引退意向を表明 初戦敗退で
リオデジャネイロ五輪大会第3日の7日、フェンシング男子フルーレ個人2回戦で、太田が初戦で敗退し、現役引退を表明した。「五輪に育ててもらい今の自分があり感謝している。最後にずっこけるのは自分らしい」と悔しさとすがすがしさが入り交じった。
「緊張した」という通り、序盤から硬さが見え、立ち上がりにトウドに連続ポイントを許した。地元のトウドが得点するとブラジル国旗が揺れ、大声援が飛ぶ。第1ピリオドは一進一退の攻防だったが10−12で終えた。
第2ピリオドはスタートから積極的に攻め、3連続ポイントを挙げ、13−12で一時は逆転したが、その後の声援に乗るようにトウドが前に出る勢いをはね返すことができなかった。本人も予想外のあまりにも早い幕切れ。試合終了のブザーが響くと腰に手をあててピストを歩き、離れることができなかった。
今後の日本フェンシング界を後進に託すためにも目指した金メダルだった。「もっともっと心の底から取りたいと思わないといけなかった」と唇をかみしめた。今後については「スポーツ選手が引退した後の選択肢を増やせる役割を担いたい」と最後は笑顔を見せ、会場を後にした。【村上正】