英国発祥のスポーツといえば、観客動員数順に、サッカー、ラグビー、ゴルフ、クリケット等だろう。

そのうち、群を抜いて最も国民的人気が高いサッカーは、1908年のロンドン・オリンピッ ク以来、オリンピックの公式競技となっているが、英国は、最初の2回優勝しただけだ。サッカーは、それだけ国際化しているわけである。

次回のリオデジャネイロ・オリンピックでゴルフと7人制ラグビーが公式種目となる。因みに、ラグビーは、15人制がオリンピックで4回開催されているが、発祥の地、英国は一度も優勝していない。初回は、1900年パリ・オリンピックで、フランスが勝っている。


クリケットは、一度だけオリンピック種目となったことがある。やはり1900年パリ五輪の時で、参加国は、英国とフランス2カ国のみ。当然ながら英国が勝利した。
一寸野球に似ている球技だが、1チーム11名で、ベースは2つしかない。ランチやお茶の休憩時間もあって、最長5日間もプレーを続ける。英連邦内では人気があり、オリンピック競技の現行採用基準(男子は4大陸、 75カ国以上、女子は3大陸40カ国以上)にも達しているが、試合時間が長すぎて、オリンピックには向かないかも知れない。
かつてのベストセラー「如何にして外国人たるべきか(How to be an Alien)」でジョージ・ミケシュは、「ヨーロッパ(英国では、英国を除いた欧州大陸をそう呼ぶ)では、人生がゲームだ。しかし、英国では、クリケット がゲームだとさ。」とも言う。こういった英国気質への揶揄を英国人は好む。日本批判を世界で一番好むのが日本人であることと、やや似ているかも知れない。

ポロ競技は、英国発祥ではないが
、英国でかなり高い人気がある。1900年パリ五輪で登場し、5回開催されたが、大戦後は復活していない。
トップクラスは、英国とアルゼンチンだ。それぞれ最多の3千人前後の選手を抱えている。因みに日本には25名の選手がいるそうだ。
オリンピックでは、英国は、2回優勝したが、後発の アルゼンチンは、最後の2回(1924年パリと1936年ベルリン)で優勝している。
世界ポロ・ツア(WPT)によれば、世界のベスト・テン選手(獲得点数)のうち、8名がアルゼンチン人だ。そのせいか、世界のポロ用の馬は、同国で訓練される傾向が強い。
国際ポロ連盟(FIP)の資料によれば、オリンピック競技の採用基準にどうにか適合してお り、オリンピック復活を目指しているようだ。
国際オリンピック委員会(IOC)とFIPの関係も良好のようだから、ポロ競技は、早晩オ リンピック競技に復活するかも知れない。

日本にとっては、野球とソフトボールの復活が待たれるが、空手も課題だろう。競技団体のある国の数では、ラグビーを大きく上回るが、残念ながら世界的な機運が今一のようである。いずれにせよ、東京オリンピック開催となれば、こういったスポーツも、世界に注目してもらう良い機会になるかも知れない。
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