【J2第10節】(うまスタ)
熊本 0-4(前半0-2)千葉
<得点者>
[千]ネイツ・ペチュニク(5分)、キム・ヒョヌン2(15分、81分)、パウリーニョ(70分)
<警告>
[千]中村太亮(65分)
観衆:6,038人
主審:西村雄一
副審:相樂亨、三原純


妙にサバサバしています。もちろん戦前は勝利の可能性を信じていました。アップの前にスタンドに一礼にやってきたGK陣やフィールドプレヤーにも、立ち上がっていつも以上に拍手で鼓舞したし、ゴール裏の「HIKARI」の合唱も力強さが際立っていました。

いつも掲出されている選手名や各種の横断幕はなく、唯一掲げられたのは「チャレンジする事を恐れるな!闘う勇気を忘れるな!俺らと共に全力前進」という手書きのもののみ。

この一戦に賭ける思いは“ひとつ”であったろうと思います。

20150429千葉

しかし、「立ち上がりの失点がちょっと、自分たちのそれからのサッカーを難しくしてしまった部分があった」(九州J-PARK)と小野監督が言うように、開始5分にPA内でハンジンが町田を倒したという判定でPKを献上。前節と同じように早々に先制点を与えてしまいます。

その後は彼我の力の差をまざまざと見せつけられる。2点のビハインドで折り返した後半早々は、途中から入った巻や田中の活躍もあり、もちろん千葉が様子見だったこともあって、一時熊本の時間帯もありましたが、70分にパウリーニョに豪快なミドルを決められると、81分にはキム・ヒョヌンにこの日2点目となる追加点を与え、計4点という大差での敗戦となりました。

くどくどとチームの欠点を書いても仕方がない。ただひとつ見ていて思うのは、「他人(ひと)まかせ」な感じがするということ。ゴール前でのクリアにとどまらず、パスがずれたときの受け手の行動、パスを出したあとの出し手の行動、ミスした後のアクションなどなど要所要所で、ちょっとしたところで、少しずつですが、「他人(ひと)まかせ」そんな意識が見える。自分でなんとかする。自分で取り返しに行く。そんな切迫感が見えない。これは大きな気がかりです。

岐阜が長崎に勝利したことによって最下位に転落。上等だ。わかりやすいじゃないか。ここから這い上がっていくしかない。

試合中も試合後も特段イライラせずに済んだのは、前節と比べたら入場者が6千人に復活していたこと。そのなかのわれわれの後ろに座った若いカップルの彼女の方が、「これ(この場面)ロアッソがやばいよね」とか「今のはロアッソにとっていいこと?」と、可愛い質問をしていたのがなんとも微笑ましかったからかも知れません。

そして感動したのは、この日ゴール裏がただ一曲のチャントを延々と歌い続けたこと。飛び跳ね続けたこと。相手選手を威嚇するでなく、主審の判定に異を唱えるでもなく、ただひたすらに自分たちの選手を鼓舞するためにだけ歌い続けた。終了の笛が鳴っても、ある意味惨敗といえる結果をも受け止め、それを超えて…。そしてゴール裏に選手が挨拶にきても歌い飛び跳ね続け、それはとうとう選手がロッカールームに消えるまでスタジアムに響き続きました。

ようやく場内が静かになったとき、残っていた他の観客から、メインスタンドからもバックスタンドからも拍手が起こり始めました。それはわれわれの、素晴らしいゴール裏のサポーターに送られたものでした。

涙腺が弱くなった年寄りは、たまらず慌ててその場をあとにしました。

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