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尖閣で挑発の中国 習近平指導部、国内での引き締め狙う

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尖閣で挑発の中国 習近平指導部、国内での引き締め狙う

沖縄県・尖閣諸島周辺の接続水域を航行する中国公船。背後には漁船も見える=7日午後(第11管区海上保安本部提供) 沖縄県・尖閣諸島周辺の接続水域を航行する中国公船。背後には漁船も見える=7日午後(第11管区海上保安本部提供)

 【北京=矢板明夫】中国の漁船と公船が連日のように尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺に押し寄せ、日本への挑発を繰り返している。ここ数年南シナ海への外洋拡張を続けてきた中国が、再び東シナ海にシフトし始めたことを強く印象づける。共産党関係者は「習近平国家主席周辺が主導している。日本との緊張関係を作り出すことが目的だ」と指摘した上で、現在河北省の避暑地で開かれている党の重要会合、北戴河会議で「党内の結束を訴え、反対意見を封じ込めたい思惑がある」と分析した。

 この関係者によれば、共産党長老と現役指導部らが参加する北戴河会議は7月末に始まったもようで、党長老らの習指導部に対する批判が高まることは必至だといわれている。内政面では最近景気が低迷し、各地でデモが頻発。仲裁裁判所の裁定では中国が「核心的利益」と主張する南シナ海問題で“全面敗北”し、米軍の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国への配備が決まるなど、外交面でも失点が続いた。

 党長老たちはいらだち、李克強首相と習氏の経済政策における対立も深刻化しているという。党内には李瑞環・元政治協商会議主席ら改革派長老を中心に、習指導部が主導する現在の対外強硬路線を改め、日米などと協調を図るべきだといった意見が強まっていると証言する党幹部もいる。

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