IPC ロシア選手団のリオパラリンピック参加認めず

ロシアの国家主導でのドーピングが認定されたことを受けて、IPC=国際パラリンピック委員会は、ロシア選手団のリオデジャネイロパラリンピック参加を認めないと発表しました。この結果、現時点で、ロシアのすべての選手がパラリンピックに出場できなくなりました。
ロシアのドーピングをめぐっては、WADA=世界アンチドーピング機構が、国家主導だと認定したうえで、「リオデジャネイロパラリンピックではロシア選手の参加を拒否すべきだ」という声明を出したことを受けて、IPCが対応を協議してきました。
そして、IPCのクレイバン会長が7日、滞在先のリオデジャネイロで記者会見し、ロシアパラリンピック委員会を資格停止とし、ロシア選手団のリオデジャネイロパラリンピックへの参加を認めないと発表しました。
クレイバン会長は、WADAと連携した調査の中で、ソチパラリンピックの期間中もロシアでドーピングがまん延していたことが明らかになったと指摘し、「今回の決定でクリーンな選手がパラリンピックに出場できない可能性はあるが、問題は個人ではなく国家レベルの問題だ。ロシアのドーピング文化が変わらなければスポーツの信頼性に関わる」と決断の理由を説明しました。
この結果、現時点では、ロシアのすべての選手が来月のパラリンピックに出場できなくなりました。
この問題については、IOC=国際オリンピック委員会が先月24日に全面排除を見送って、厳しい条件付きでのオリンピック出場を認め、現在行われているオリンピックには278人の出場が認められました。
今回のIPCの決定は、IOCと異なる厳しい判断となりました。

ロシアは強く反発

ロシアのムトコ・スポーツ相は地元メディアに対し、「前代未聞の決定だ。何を根拠に決定されたのか理解できない」と述べ、強く反発しました。そのうえで「このままでは多くの選手たちが犠牲になる。選手たちが出場できるよう、あらゆる手段を尽くす」と述べました。
また、ロシアパラリンピック委員会のルキン会長は地元メディアに対し、IPCの決定は政治的なものだと批判したうえで、「ロシアはCAS=スポーツ仲裁裁判所に訴える」と述べて、法的手段をとる考えを示しました。