幻の従軍慰安婦
以下は6月13日付の読売新聞の記事である。
【ソウル=豊浦潤一】聯合ニュースによると、韓国外交通商省報道官は13日、中山文部科学相が「従軍慰安婦という言葉はなかった」との趣旨の発言をしたことについて、「極めて不適切な発言だ」と反発した。韓国記者団に語った。
(以下略)
【北京=末続哲也】中山文部科学相の慰安婦問題に関する発言について、中国の国営新華社通信は12日、日本の一部報道を引用して内容を伝えたうえで、「歴史を正しく認識し、歴史のわい曲に反対する日本の有識者やアジア国民の厳しい非難を浴びている」と論評、強く批判した。
(以下略)「従軍慰安婦」巡る中山発言、韓国・中国が反発
読売新聞 2005年6月13日
まさに「中韓同盟」近し、という感じがする(笑)。
ところで、そもそも「従軍慰安婦」なるものが本当に存在したのだろうか?
答えは「否」である。存在しないのだから「従軍慰安婦」という言葉もない。
だから、中山文部科学相の「従軍慰安婦という言葉はなかった」との趣旨の発言は
事実であり、非難される筋合いのものではない。
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当時、日本には「公娼制度」があった。「公娼制度」とは、合法的な売春制度のことで
ある。戦前は「遊郭」と呼ばれ、戦後は「赤線」と呼ばれた。
「女衒(ぜげん)」という職業もあった。女衒とは、女の売買を生業(なりわい)とするブローカーのことである。「衒」は売るの意味。
貧しい農家などが、前借金の形(かた)に娘を遊郭などに年季奉公に出す。前借金は、600円(当時)。このうち着物代として200円、女衒に50円取られ、親の手許には350円しか残らなかった。悪い女衒にかかった親には、150円しか渡らなかったという話も
ある。
もちろん女衒は甘言を弄する。若い娘に「遊郭は、不特定多数の男に肉体を売るところ」などと、本当のことを云うわけがない。また、質(たち)の悪い女衒であれば、恫喝めいた文句を吐くことも多かったであろう。
とにかく戦前の農家は貧しかった。特に、昭和9年、冷害に襲われた東北地方は悲惨極まりない状況だった。冷害ではなく「飢饉」と云う人もいるくらいである。
山形県のある地方では、9万人の人口があったが、そこで2000人もの娘が女衒に連れられて村々から消えたという。昭和恐慌と東北地方を中心とする農村の壊滅的な貧困により、娘たちの身売りはピークを迎えていたのである。
昭和12年7月には日中戦争(日華事変)が始まり、戦線が次第に中国全土に広がっていく。
「いわゆる従軍慰安婦」は、そういう時代背景の下に生まれた。
※この農村の悲惨な状況が、昭和11年の青年将校による2.26事件の原因の一つに
なったと云われる。兵隊の姉や妹が、続々と身売りされたからである。
本土にしてこのような状況だったのである。さらに貧しい朝鮮半島がどのような状況であったか容易に察しがつく。もちろん、朝鮮半島も、各所に遊郭があり、多数の女郎(当時の公娼の俗称)がいた。本土と違い、女郎のほとんどは朝鮮人で、女衒も朝鮮人である。
また、中国大陸の、日本人が多く住む街にも遊郭はあった。女郎は、日本人もいれば朝鮮人や中国人もいた。
以上のことを踏まえた上で、「いわゆる従軍慰安婦」の問題を分析してみたい。
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そもそも「従軍慰安婦」という言葉自体が、当時は存在しなかっ た。従軍看護婦は軍属であり、従軍記者、従軍僧は、法令により定められた身分で、指定された部隊につく。
しかし、「従軍慰安婦」という規定はどこにもなく、概念すら存在しなかった。すなわち、従軍看護婦などとの連想で、あたかも部隊の一部であると読者に思い込ませるための造語なのである。
「慰安婦」は公娼業者が雇った女郎であって、軍が徴用したわけではない。これを、
朝日新聞は、「日中戦争や第二次大戦の際、女子挺身隊として戦場に連行され、日本軍人相手に売春行為を強いられた」と書く。
しかし、「女子挺身隊」とは、昭和18年9月に閣議決定されたもので、名乗り出た「従軍慰安婦」の「連行された」という時期は、それよりはるかに前である。つまり、貧困ゆえに身売りされたのに、朝日新聞は、そのころは存在しない「女子挺身隊」として連行された、と記事を捏造しているのである。
平成3年8月11日付け朝日新聞は、社会面トップで「思い出すと今も涙」「元朝鮮人従軍慰安婦 戦後半世紀重い口開く」とのタイトルで、「日中戦争や第二次大戦の際、女子挺身隊として戦場に連行され、日本軍人相手に売春行為を強いられた朝鮮人従軍慰安婦のうち、一人 が」名乗り出たと報じた。
しかし、この女性、金学順さんは、「女子挺身隊」として連行などされていない事を、8月14日の記者会見で自ら語っている。
生活が苦しくなった母親によって14歳の時に平壌のあるキーセン検番(日本でいう置屋)に売られていった。三年間の検番生活を終えた金さんが初めての就職だと思って、検番の義父に連れていかれた所が、華北の日本軍3000余りがいる部隊の前だった。
(ハンギョレ新聞 1991年8月15日)
朝日が、特定の意図を持って記事を捏造したのは明らかである。
宮沢首相(当時)の訪韓直前に発表され、公式謝罪に追い込んだ朝日新聞の「慰安所、軍関与示す資料」「部隊に設置指示 募集含め統制・監督」という一面トップの記事はどうか。
発見された文書とは、昭和13年の陸軍省による「軍慰安所従業婦等募集に関する件」である。
その中では、民間業者が慰安婦を募集する際、
①軍部諒解の名儀を悪用する
②従軍記者、慰問者らを介した不統制な募集をする
③誘拐に類する方法を使って警察に取調べられるなどの問題が多発している
したがって、業者の選定をしっかりし、地方憲兵・警察との連繋を密にせよ、 と命じている。
上記を素直に読むと、「関与」とは、誘拐に類するような方法を使う民間の悪徳業者を、軍が警察と協カして取り締まり、排除せよとの命令であることが解る。
軍が、民間業者を指示、統制、監督して 慰安所を運営させたという意味ではなく、むしろ当時の公娼制度を逸脱することなく合法的に慰安所を運営せよ、という意味なので
ある。
朝日新聞の罪は重い。
石原内閣官房副長官(当時)は、国会議員との会合で次のように語っている。
「もう少し補足しますと、この問題の初期の段階では、私は韓国政府がこれをあおるということはなかったと。むしろこの問題をあまり問題にしたくないような雰囲気を感じたんですけれども、日本側のいま申した人物がとにかくこの問題を掘り起こして大きくするという行動を現地へいってやりまして、そしてこれに呼応する形で国会で質問を行うと。
連携プレーのようなことがあって、韓国政府としてもそう言われちゃうと放っておけないという、そういう状況があったことは事実です」「歴史教科書への疑問」
日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会編 (展転社)
まさに、国内の反日主義者による相手国扇動-朝日新聞の報道-国会における
「反日」議員の策謀、「歴史教科書問題」や「靖国問題」とまったく同じパターンで事件がデッチ上げられるのである。
石原内閣官房副長官(当時)は、次のようにも語っている。
「強制連行の証拠は見あたらなかった。元慰安婦を強制的に連れてきたという人の証言を得ようと探したがそれもどうしてもなかった。結局談話発表の直前にソウルで行った元慰安婦16名の証言が決め手になった。彼女達の名誉のために、これを是非とも認めて欲しいという韓国側の強い要請に応えて、納得できる証拠、証言はなかったが強制性を認めた。
もしもこれが日本政府による国家賠償の前提としての話だったら、通常の裁判同様、厳密な事実関係の調査に基づいた証拠を求める。これは両国関係に配慮して善意で認めたものである。元慰安婦の証言だけで強制性を認めるという結論にもっていったことへの議論のあることは知っているし批判は覚悟している。
決断したのだから弁解はしない」櫻井よしこ「密約外交の代償」
「文塾春秋」平成9年4月号 (下線は筆者)
なんと、「納得できる証拠、証言はなかったが、両国関係に配慮して善意で認めた」と、当時の政府首脳が白状している。それほどまでに、当時の日本政府は韓国や中国に対して弱腰だったのである。
そして証拠も証言もないのに「談話」を発表したのが、あの河野洋平(現衆院議長・
当時官房長官)である。
「従軍慰安婦」というと、海外では"military sexual slavery (軍用性奴隷)"などと呼ばれる。日本軍によって郷里から強制連行され、戦地では何の自由もなく、もちろん無給で、ひたすら兵士にもてあそばれた、というイメージが定着している。
しかし、実態は、貧困ゆえに家族から女衒を介して公娼業者に売られたのであり、給与・待遇は国内の女郎よりもはるかに良かった。
内地人のある娼妓は「内地ではなかなか足を洗えないが、ここで働げば半年か一年で洗える」といい、中には「一日に27人の客の相手をした」と豪語するつわものもいた。
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平成4年に韓国の「元従軍慰安婦」文玉珠が起こした、「戦時郵便貯金の払い戻し請求訴訟」別名「下関裁判」というのがあった。
文玉珠は戦時中にビルマで「従軍慰安婦」をして貯めた26,245円を郵便貯金にして
いた。その中から5,000円を朝鮮の実家に送ったが、敗戦後の混乱の中で貯金通帳を
紛失してしまった。昭和40年に貯金は失効した。
それを27年後の平成4年になって、貯金の払い戻しを国に要求したのである。もちろん元慰安婦個人ができる裁判ではない。その裏には、例によって、日本の威信失墜を
図る国内の反日主義者たちがいた。しかし、これは両刃の剣であった。
なぜなら、戦時中の大卒の初任給が100円から150円の時代に、26,000円も貯金できたということ。しかも、わずか2年半の間にこの大金を稼いだということ。これらが裁判の過程で明らかになったからである。つまり、文玉珠は毎月870円も貯金できたことに
なる。
大東亜戦争陸軍給与令(昭和18年)によれば、最下級の2等兵の月給は7円50銭で、下士官である軍曹が23円~30円、戦地手当を含めると約2倍になったので、当時の
兵士の収入を平均すると月額30円程度であった。文玉珠は、お客である兵士の約30倍も稼いでいたわけである。
この裁判の過程で、朝日新聞や反日主義者たちが意図していた「従軍慰安婦」=
「強制連行された性奴隷」という図式が虚構であることが暴かれたのである。
また、朝日新聞は「慰安婦の大半が朝鮮半島出身者だった」ように書いている。しかし、外務省の「いわゆる従軍慰安婦問題について」は、「慰安婦の出身地としては、
日本人を除けば朝鮮半島出身者が多い」 としている。つまり、日本人を含めれば、日本人が最も多いということである。(下線は筆者)
政府は、これらの日本人「従軍慰安婦」には謝罪しないのであろうか。
慰安所の経営者には朝鮮人も多くいた。また、利用者の兵士にも朝鮮人がたくさん
いた。朝鮮人兵士はC級戦犯(捕虜虐待)として処刑された者も多い。
「従軍慰安婦」「南京事件」「歴史教科書問題」「靖国問題」。中国や韓国は熱心に外国にアピールしている。このまま放っておけば、日本=残虐な軍国主義の過去を持つ国、そして、それをまったく反省しない国とのイメージが定着しかねない。
政府は、事実を調査し、それを明らかにすることによって、日本の真の姿を海外に伝えるべきである。そうしなければ、いずれ国益を損なうことになるのは間違いない。
なお、慰安所と「従軍慰安婦」の実態を知るには、前出の小野田寛郎 私が見た従軍慰安婦の正体 を読めばよい。お薦めする。
関連記事1:中山文部科学相の正論
関連記事2:岡崎トミ子・日本の恥部
参考資料1:「従軍慰安婦」問題(上)
参考資料2:「従軍慰安婦」問題(下)
参考資料3:朝鮮における従軍慰安婦(その2)
参考資料4:いわゆる従軍慰安婦問題について(外務省)
参考資料5:荒廃する東北農村
参考資料6:小野田寛郎 私が見た従軍慰安婦の正体
参考資料7:植民地朝鮮における公娼制度の確立過程
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コメント
すでに遅いというような気が・・・・・・。
満州国の解釈からすでに日本の戦後外交はボタンの掛け違いでしょう。積極的に戦前を正当化する必要はないのですが、原則論は繰り返し出張すべきでしたね。ロシアだって支那だって自分の非は認めずに世界では嫌われものですが、だからといって、それで国益が損なわれているとは思えません。
投稿: 高田雄二 | 2005/06/15 18:10
>「従軍慰安婦」「南京事件」「歴史教科書問題」「靖国問題」・・・、それをまったく反省しない国とのイメージが定着しかねない。
ふつーの日本人が事実を知ればおかしいと思う。このBLOGなどを多くの方にみて頂くようにしたい。
投稿: AA(`・ω・´) | 2005/06/16 11:49
高田雄二さん、こんばんわ。
相変わらず、シビアなコメントですね。
>積極的に戦前を正当化する必要はないのですが、原則論は繰り返し出張すべきでしたね。
この点は、まったく同感です。
AA(`・ω・´) さん、ようこそ。
>このBLOGなどを多くの方にみて頂くようにしたい。
朝日新聞的な偏向記事を信用している方も結構います。
もっと、真実を広めていく努力が必要だと思います。
投稿: 坂 眞 | 2005/06/16 21:50
>日本側のいま申した人物が
明らかに国益に反した人物を野放しにしたのでしょうか?
韓国、慰安婦に物申せとはいいませんが
取調べor新聞社からの公式見解ぐらいあってよさそうなのに
外から圧力の声を防ぐには
内から声を出すべきだったのでは・・・
投稿: | 2009/04/14 23:04