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 一昨年のクーデター後、軍事独裁体制下にあるタイで7日、民政復帰に向けた新憲法案の是非を問う国民投票があり、賛成61%、反対39%(開票率94%)で承認が確実になった。推定投票率は58%だった。来年半ば以降に総選挙が行われるが、憲法案には上院議員を非公選にするなどの内容が含まれ、「民主主義の復活ではなく、非民主的制度が固定化される」と懸念する声も強い。

 憲法案は、選挙で選ばれた下院議員や政権に対し、憲法裁判所などに強い監視権限を持たせ、上院は200人全員を有権者が直接選ばない、職業分野ごとの間接選挙で選ぶ形にした。

 さらに、選挙後5年間の「移行期間」には上院定数を250人に増やし、軍部が実質的に全員を選ぶ。国民投票での「移行期間中の首相選出は、上院を加えた両院合同会議で行うべきか」との付帯質問も賛成58%で承認が確実となり、軍が今後も政治に強い影響力を持つことになった。

 クーデターで政権を追われたタクシン元首相派を封じ込めるための内容、との指摘が出ていた。

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