外務省は７日、沖縄県の尖閣諸島周辺の接続水域を航行していた中国海警局の公船２隻が同日午前と午後、相次いで日本の領海に侵入したと発表した。６日から公船７隻が領海の外側の接続水域での航行を続け、７日に新たに公船６隻が接続水域に入ったことも確認。海上保安庁によると、接続水域に同時に入った中国公船の数としては、日本政府が尖閣諸島を国有化した2012年の12隻を上回り、過去最多の計13隻となった。
７日、沖縄県・尖閣諸島周辺の接続水域を航行する中国公船＝第11管区海上保安本部提供・共同
杉山晋輔外務次官は７日午前、中国の程永華駐日大使に「主権侵害で断固認められない。現場の緊張を著しく高める一方的なエスカレーションで決して受け入れられない」と抗議。午後に公船２隻が再び領海に入ったことを受け、改めて程氏に抗議し、領海と接続水域からの公船の退去を強く求めた。外務次官が１日２回にわたって抗議するのは異例だ。
７日午前に領海に入った公船２隻は約35分で領海外に出たが、そのうちの１隻と別の１隻が午後に相次いで領海に入った。接続水域を航行している公船13隻のうち６隻が武装し、一部が領海侵入を断続的に繰り返した。中国海警局の公船が尖閣周辺の領海や接続水域に入ることは常態化しているものの、ここ最近は３隻程度が目立っていた。
尖閣周辺の中国の挑発を巡っては、５日に海警局の公船と漁船が同時に日本の領海に侵入。６日には公船７隻が接続水域に入り、周辺海域で漁船230隻が航行しているのが確認された。外務省は５日から３日連続で中国側に抗議している。