北海道の七夕は今日である。北海道の七夕の風習として、「蝋燭出せ」というものがある。
♪ろうそく出せ 出せよ
出さないとかっちゃくぞ
おまけに食いつくぞ
と家の前で歌うと、お菓子がもらえるという外国でいうハロウィンみたいなものだ。
元々は提灯をもって一件一件めぐり、提灯の中の蝋燭を交換してまわる儀式だったが
いつしか提灯をもたずお菓子だけもらうようになった。たまに老人宅にいくとマジで蝋燭を渡されてがっかりすうことも。
といっても、みんな近所の同じスーパーでお菓子を用意するのでもらうお菓子も同じものばかり。
うまい棒か、不二家のPOPキャンディーか、「宿題できたよ!5時05分ゼリー」というクソまずいゼリー。
「蝋燭出せ」というだけあって、夕方6時から夜8時くらいの時間帯を子供の団体が家々を練り歩いていたので
俺が子供の頃は、夜8時まで片っ端から知らない家をめぐり、大量にお菓子をゲットしたものだ。
しかし、最近の小学校は「明るい時間帯に行くこと」「知らない家には行かないこと」などと注意しており、
それらの注意がされていることを知らない家庭は、まだお菓子を用意していない昼の時間帯に来られたり、お菓子を用意したのに全く子供が来ないという事態になっている。
北海道外から引っ越してきた蝋燭出せを知らない家などが、小学校にクレームを出すらしい。
でも北海道民は「今日は蝋燭出せだよー、お菓子用意するの面倒くさいなー」と言いながらも、いざお菓子を用意すれば子供たちが来るのを楽しみにしている。自分が子供の頃は楽しんでいたからだ。
うちも今日の夕方にお菓子の買い出しに行こうと思っていたら、昼に子供が来てしまった。
「まだお菓子を用意していないから、夜に来てね」と伝えた。やっぱり蝋燭出せとは、夜にやる行事というイメージが捨てきれない。
で、ついさっき近所のスーパーでお菓子を調達(七夕の日のスーパーは七夕コーナーがあり、子供に配るためのお菓子が陳列されているが、昨日は大量にあったのに今日はほとんど無くなっていた)して、夕方6時の本番をむかえたが
スーパーからお菓子が消えているということは、もう今の時代、子供がほとんど来ないのはわかっていても、どこの家庭も一応用意はするということだ。
蝋燭出せをしている子供の団体はたまにうちの前を通るが、うちを完全スルー。よってけよ!
老人だけで住んでいる家庭は、この日に子供が来るのを楽しみにしているというのに。
北海道の昔ながらの風習が、北海道外から引っ越してきた奴らによって失われつつある。