蹴球探訪
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【サッカー】室屋、取り返す 負ければ敗退あすコロンビア戦2016年8月7日 紙面から リオデジャネイロ五輪に出場しているサッカー男子日本代表は、4−5で敗れた1次リーグ初戦のナイジェリア戦から一夜明けた5日(日本時間6日)、マナウスで調整を行った。DF室屋成(22)=FC東京=らナイジェリア戦の先発メンバーに途中出場のFW浅野を加えた11人は、ランニングやストレッチなど軽めのメニューで回復に努めた。 ◆負ければ1次リーグ敗退勝ち点0の日本はB組最下位で、7日(日本時間8日)のコロンビア戦に敗れると、最終戦を待たずに1次リーグ敗退が決まる。コロンビアは日本を破ると勝ち点4となる。同日のスウェーデン−ナイジェリアで、スウェーデンが勝てば勝ち点4、ナイジェリアが勝てば勝ち点6まで伸びる。引き分けの場合でもナイジェリアの勝ち点は4。日本はコロンビアに敗れて勝ち点0のままだと、10日(同11日)のスウェーデン戦に勝っても、決勝トーナメント進出に必要なB組2位以内に入ることができない。 挽回の舞台は残されている。右サイドバックとしてナイジェリア戦にフル出場した室屋だったが、クロスボールの目測を誤るなどミスを重ね、失点に絡んだ。DFとしては受け入れがたい5失点という結果に、試合後は初めて無言で取材エリアを通り過ぎた。「あんなに失点したのは初めてだった。どうしても気持ちの整理がつかなくて、なかなか言葉に表すことができなかった」。一夜明け、ようやく敗戦を語る言葉を見つけた。 2011年U−17W杯で一度は世界を経験していたが、五輪は想像を超えていた。「独特の雰囲気の中、緊張感もあった。早い時間帯で失点して、責任を感じて慌ててしまった」。初戦の異様な空気にのみ込まれ、大一番で屈辱にまみれた。 幾度もつまずき、成長してきた。明大の三浦佑介コーチは振り返る。室屋が1年の夏、当時主将を務めていた小川大貴(現磐田)がユニバーシアード代表で不在の間、サイドバックで出場を重ねた。だが、小川が戻った試合ではベンチに座り、チームも敗れた。試合後、ぶぜんとする室屋は神川監督(現J3盛岡監督)との握手を拒否。当然、激しく叱責(しっせき)された。 運命は巡る。今度は3年になった室屋がユニバーシアード代表へ。代わって出場していた4年生は室屋が戻った途端に外され試合は敗れた。「1年の時を覚えているか、あの時感じた気持ちが、今のおまえを見ている人間の気持ちだ」。三浦コーチは室屋に語り掛けたという。試合に出場することの責任感に気付き「それを機に変わった。いろんなものを背負えるようになった」と三浦コーチは成長を実感。室屋は「三浦さんは大きな存在」と感謝する。 負ければ敗退が決まる次戦を前に、後ろを振り返ってばかりはいられない。「とにかく前を向くしかない。まだ終わったわけではない」。この日は宿舎でミーティングを行い、手倉森監督からは「絶対に修正できる」と後押しを得た。必勝が要求される一戦。ピッチに立つ重みを知る室屋は力強く言い切った。「やってやろうと思っている」 (山本直弘) PR情報
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