そういったものが何もない場合も、諦める必要はありません。着衣のまま背浮きをすることによって、相当長い間、体力を消耗しないで呼吸を確保し、水の中で浮いていることができるからです。
「背浮き」とは、水難事故に遭った際のサバイバルスイミング法の一つ。着衣のままでも体力を奪われることなく、長時間、口と鼻を水面より上に出して浮いていられる浮き身の方法のこと。「浮いて待て」を合言葉に、スリランカ・インドネシア・マレーシア等の水災害の多い東南アジアでも注目され、昨年、DUAL でも紹介しました(http://dual.nikkei.co.jp/article.aspx?id=5663)。
田村さん曰く、「背浮きは、ただ浮いているだけなので体力を消耗することもなく、たとえ、泳げない人でもコツさえつかめば、浮くことができる。また、遠泳などで一休みするときにも有効な技術」とのこと。
背浮きを覚えておけば、水難事故の際、生存率を上げることができるのです。
■「背浮き」の練習は、二人一組で
では、実際に水着または着衣で背浮きを練習してみましょう。なお、着衣のまま水に入ったり、ペットボトルをプール内に持ち込んだりする際は、プール管理者の許可を得てから行ってください。今回の記事でも、特別に許可をとったプールで練習をしています。
実際に背浮きをする前に、「浮く」という感覚をつかむところから始めます。着衣で靴を履いたままプールに入り、空のペットボトルをおなかに抱えてあおむけで浮いてみました。
最初は、うまく浮けませんでしたが、ペットボトルの浮力に頼りつつ「顎を上げ、気持ちおへそやおなかを突き出して」「もっと足を広げて」という田村さんの言葉に従って、体の形を整えていくと少しずつ浮き始めてきます。
体を反らせ形を整えていくと、重心が頭のほうに移動し、脚の部分が浮上してくるのです。
ペットボトルを抱え、支えてもらいながら浮くという感覚をつかんだら、ゆっくりとペットボトルから手を離し背浮きにチャレンジします。
このときのポイントは、「焦らず、手足を広げ大の字になる」こと。ペットボトルから手を離しても、身体が沈むことはありません。浮いていることを実感しながら、ゆっくりと手を離していけば、安定した姿勢のまま、浮き続けていることができます。
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