会社員、自営を問わず、何らかのビジネスをしているならユーザーの「生活体験」を深く理解するという概念が重要なのはいうまでもない。簡単にいえば、自分のビジネスのユーザーがどのような思い、悩み、欲望を抱きながら1日を送っているかをなるべく精密にイメージするということ。ところがGoogleは、最近マイクロモーメントの提唱に力を入れている。マイクロモーメントとは、ユーザーがこれは困った何とかしたい、あるいはこれが今必要!と思うまさにその1秒を表す。Google的には、スマホの下の方に一瞬だけ出ることがあるシャッター式のページ単位の広告あたりに生かされているのだろうか?
自分的には昨日(8月6日)、以前に制作した弱小サイトの転職関係の記事に異常があった。アクセス数はいつもどおりだったが、アドセンスの収益がいきなり10倍。念のためgoogleのアドセンスチームに報告をしたくらいだ。これは今日から夏休みに入る会社員が転職を検討しているというマイクロモーメントだろう。タイミング的に少し早い気もしたが、8月6日から11連休となる企業もある様子。夏休みに入り一息つき、先々のことを考える時間を取ったのではないか。googleはI-want-to-know moments(知りたい瞬間)と名づけている。Googleの提唱で、ざっくりと生活体験をつかむというレベルでなく、より精密に気持ちの変化をつかみ、タイミングに合った過不足ない情報提供をすることが必要だと理解できた。
広告代理店勤務時代、ある高校に進路関係の無料冊子を持参したことがある。進路の先生は「豊富な情報提供はありがたいが、喉が渇かないと水は飲まないもんでね」と言っていた。これは突き詰めればマイクロモーメントのことだろう。高校生は主に高3の5月に進路を決める的なざっくりした統計に基づいた総花的な進路冊子はいまやゴミでしかない(実際に年度末に紙ゴミとして処分されるか広告代理店が回収に回る)。高校は民間でなく競争がないので、マイクロモーメントの概念まで興味を持つ人は少ないと思うが、民間企業に勤めている人は必須の概念だ。
Googleにはかないまへんな。やっべー、やっべー。
※教職や塾講師は、アクティブラーニングの本質がディスカッションをさせることでなく、受講者の脳を活性化することだとまず認識し直す。つぎに主体性を促し受講者にマイクロモーメント(I-want-to-know moments)を創出し、ちょうどそのタイミングでコンパクトな発話を行う。このように考えることができる。
※より上手なコミュニケーション(伝達)を志す人は、一方的にダラダラ説明するのではなく、まず相手方にマイクロモーメントを創出することに注力。次に短く発話。話上手な人が、じっくり観測気球や偵察機を飛ばし一撃で伝えきるのはこのノウハウがあるから。