チェルノブイリで被災した親子の心の影響調査へ 福島大など

チェルノブイリの原発事故から30年がたったウクライナで、福島大学などの研究グループが、被災した親子が抱える心の問題の調査を実施することになりました。調査結果を、東京電力福島第一原発の事故のストレスが長期化する懸念もある福島県での親子の心のケアに役立てたい考えです。
この調査は、福島大学と名古屋大学、それに広島大学で作る研究グループが、チェルノブイリの原発事故から30年がたった現地での今の不安やストレスなどを調べるため、当時ウクライナで被災した親子、合わせて2000人を対象に今月末から行います。
調査では、事故当時、放射線の影響をどの程度心配していたかや、現在の放射線への懸念など合わせて54の項目を住民から聞き取ることにしています。
そのうえで、東京電力福島第一原発の事故の直後から同様の調査を行っている福島県内の親子のストレスや不安の度合いと比較する計画で、長期化する懸念もある福島での心のケアに役立てたい考えです。
研究グループの1人、福島大学の筒井雄二教授は、「ウクライナのデータをもとに、今後、福島で起こりえる心理的な影響について見通しを立てられれば、早めの対策を講じることもできる」と、期待を寄せています。