このような記事が産経新聞で掲載されておりました。
マスメディアはそもそも遺族の意向を無視しているということ、そして実名報道によって起こる人権侵害を無視しているということ、何よりも「障害者差別」という文言を使って実名報道を推奨しており、あまりにも卑怯だと言わざるおえません。
なんども言うように、遺族の方々が被害者の名前を伏せるという意向を汲むべきで、それを「被害者の尊厳や経歴をマスメディアが伝えなければならない」という言葉で実名開示を強要するような姿勢は、反吐が出ます。
また、「障害者差別」が論点ではなく、被害者の個人情報保護が今回の事件で、遺族が望まれたことでした。マスメディアはそのことをまるっきり無視して、「障害者差別」という差別を理由にして、このような報道を行うことは理解出来ません。
この記事にはこのようにも書かれています。
立教大学の服部孝章名誉教授(メディア法)は「実名の開示は、どんな人物だったのか、どんなことが起こったのかを検証するのに必要だ」と強調。「メディアが実名を報道するかどうかは、警察ではなくメディアが責任を持って判断することだ。当局による恣意(しい)的な情報選別は、都合の悪い情報の隠蔽(いんぺい)にもつながりかねない。『遺族感情』などを理由に、安易に匿名にすることは許されない」と批判している。
実名を報道するかどうかは、警察ではなくメディアが責任を持って判断することだと書かれていますが、そもそも実名報道を選択する権利はメディアでもなく、警察が持っているわけでもなく、遺族の方々が持っているのであって、さもメディアが実名報道する権利を持っているような口ぶりは、被害者の方々の権利を踏みにじっています。
今回の記事でわかったことは、朝日も産経も被害者の意向を無視して、実名報道を行おうとする強権的な姿勢はどちらも変わらないということです。
ジャーナリストの方々はこの件について深く考えて欲しい所存です。