フェリーが貨物船と衝突 3人が軽いけが

フェリーが貨物船と衝突 3人が軽いけが
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1日午前、広島県呉市の呉港で松山行きのフェリーが停泊中の貨物船に衝突し、乗客3人が軽いけがをしました。フェリーは港を出港した直後に電気系統にトラブルが起きてかじが利かなくなったということで、海上保安部が詳しい状況を調べています。
1日午前9時すぎ、呉市の呉港で松山に向かおうとしたフェリー「翔洋丸」(696トン)が港を出た直後、近くの岸壁に停泊していた貨物船に衝突しました。
呉海上保安部によりますと、フェリーには乗客乗員、合わせて62人が乗っていましたが、この事故で乗客3人が軽いけがをしたということです。
貨物船の側にけが人などはいませんでした。
フェリーを運航する松山市の石崎汽船によりますと、フェリーは広島港から呉経由で松山に向かう予定でしたが、呉港を出ておよそ10分後に、突然、電源が落ちるトラブルが起き、かじが利かなくなったということです。
このフェリーはことし2月の定期検査では異常はなかったということで、呉海上保安部は操船していた船長から話を聞くなどして詳しい状況を調べています。
この事故で、乗客の男性が撮影していた映像には、フェリーが貨物船に向かってゆっくりと近づきフェリーの左の前の部分が貨物船の側面に衝突する様子が映っています。
男性は、「港を出てしばらくはエンジン音がしていたが、そのあと突然、静かになり、かじも利いていないように感じた。乗客はみんなぶつかると思って身構えていたが、衝撃で前に投げ出されてしまった」と話していました。

フェリー運航会社「原因をきちんと突き止める」

フェリーを運航する松山市の石崎汽船の菊池浩二船員部長は、衝突事故の原因について「船のかじを取る部分に数分間、電気が送られなくなり操縦ができなくなったためと連絡を受けている」としたうえで、「このようなトラブルは初めてなので電気が送られなくなった原因をきちんと突き止めるとともに、ほかの船も点検したい」と話しています。
石崎汽船によりますと、事故の影響で、1日運航を予定していた呉経由で広島と松山を結ぶ2往復4便は欠航する予定だということです。