たしか今年の6月頃でしたか…
もう何回目かの
集落住人総出の「野崎海水浴場」の草刈り作業の後…
我が「野崎の区長さん」が 集まっている集落の皆さんに、こうおっしゃったのでした。
「お~い、みんな聞いてくれっ!」
ザワザワ… 「え…?なになに?」
「狩猟免許の試験ってのが、あと1ヶ月後にある! 我が「野崎」を「猪の野郎」から守るために、是非ともこの試験を受けて貰いたい!」
特に、若い人にお願いしたいが…誰か、おらんか!?
「………。」
(狩猟免許って、バーンって鉄砲撃つ免許?)
(いや… 確か「網」「わな」「鉄砲」とか種類があるらしいよ。)
(ふ~ん…)
「区長! 白井が興味あるみたいです!」
「そ、そんな…ちょっと聞いてみただけです。どんなのかなぁ~って。」
そっか!「申請書類」を渡すから検討してくれ。
この試験の受験者はまず、心身共に健康であるという「診断書」を病院で書いてもらう!
石川県七尾合同庁舎の事務所に、その「診断書」と「証明写真」に「県証紙」、「申し込み書」を持っていけば手続きは終わる。
(あんた、病院の診断書で引っ掛かったりしてね! わっ!ひど~い!!)
何しろ今まで、隣の集落の有資格者の名前を借りている訳だが…いつまでも頼れるものではないのだし!
もっと言えば、猪を捕獲するための「箱罠」には、一台につき一人の有資格の名前が欲しい! まぁ…これは補助金のからみでそうなるのだけどな… で、
そこの3人!
「へっ?」「ん?」「……?」
これもなんかの縁だ。頼む!引き受けてくれんか?
「えーっ!?」「も~っ、ごうい~ん❤」「参った…」
と、言う訳で…?
何故か私を含む3人が「狩猟免許(わな限定)」を受験する事になりました…(´Д`)。(受験料(約5,000円)だけは「野崎区」の会計から出るらしいのですが…)
数日後…
「あ~っ、それでは… これより狩猟免許試験の講習会を行う!」
(突然ですが「狩猟免許試験」の1週間前の話です。)
私達3人は、七尾のサンライフプラザ中ホールでの、「試験前の講習会」を、受けにやって来たのでした。
「講習会に出たら、試験に出るとこ教えて貰えるから 楽勝だよね!」「だよね~!」
なんて言ってたのですが…
「あれ? 教本って、けっこうページ数あるじゃん!?」
今回の参加者は約100人。前回は300人もいたとか…。
「わ~っ… けっこう皆さん… 真剣なんやね~。うちも頑張らなダメやな…。」
まず、法に関する講義。
そして捕まえていい動物と、(保護の意味で)捕まえてはいけない動物の講義。
ラストは、罠などの基礎知識の講義。
さらに、実際の試験当日は「筆記試験」に合格出来た者が「実技試験」を受けられるので…
午後からは実際の「罠」を使っての講習会。もちろん鉄砲の試験を受ける人は、「銃」のモデルを使っての講習会。
「すみません!今の説明、どっちの教本の何ページなのか教えて下さい!」
なんてセリフが、複数の人からありましたね。
会場内を見渡すと、 20歳代くらいの男女から70歳代くらいの男女までの幅広い年齢層。(けっこう夫婦で受講されてる方々がいらっしゃってたみたい(´Д`)❤)
「この会場にいる人達って、猪退治だけじゃないのよね…そういえば。」
「シビエ料理って、ちょっとしたブームみたいよ。そんな関係の方もいらっしゃるでしょうね。」
「あっちの若い夫婦連れの綺麗な奥さんが(だって野生の鳥食べたいも~ん❤)なんて言ってたし~っ!」
(な、何してんのよ! い、痛いよ~!)
あー 皆さん、静粛に!
(わっ!猟銃だ! あ、偽物か…)
猟銃というのを知らない人が殆どだと思いますが…
非常に危険なものです。
銃口を人に向けるなんてもっての外ですし、こいつは必要な時だけ弾丸をこめるものなんです。
あ、そういえば最高でも2発しか弾は入りませんしね。
移動中の自動車から発砲したり~
公道や民家近くでの発砲なんてのはアウト!
試し打ちもアウトです!!
獲物の向こうに空しか見えない状況なら、外れた弾がどこいくか分からんからアウト~!
と…、かなり慎重に扱って頂く物なのですね。
箱罠でも同じです。
例えば何月何日までって、決められてる罠を
「忘れてたので、次の日に回収します~!」なんてぬるい言い訳は、全く通用しません。
そして、これらの事は「有資格者」がそれぞれ注意をしあい、それを受けた人は紳士的にその行動を謝り、改める事が大切なのですね。
「ふ~ん…。そっか、やっぱり厳しいんやね。」
( 私達はこんな感じの「試験前の講習会」を済ませ、1週間後の本番までを各自勉強して、「狩猟免許試験」に挑んだのでした。)
筆記試験は、3人ともちゃんと勉強してきた甲斐があって、無事にパス出来ました。
お昼からは実技試験です。
一人ずつ部屋に通されて、試験官の前でテストされます。
「おほん! さて… ここに並んでいるイタチの罠、くくり罠、箱罠等で使って良いのをここに並べて下さい。」
「その次はこちらの箱罠を、捕獲出来る状態にセットしてみて下さい。」
えっと…イタチの罠はメスを殺さないように締め込みストッパー付き! かすみ網にトリモチは、使用禁止だし…虎ばさみもアウト。
くくり罠は4ミリ太さの捻れ対策の「より戻し」付き…。
よし、分かる…大丈夫!
はいっ!次は身体能力検査しますよ~!
(10人の試験官の前で、我々20人の受験者が、一斉に言われた通りにポーズします。指も1本ずつ動かしてみせます。受験票には、顔写真が貼ってありますので、オーディションみたかったですね(´Д`)。)
はいっ!次は聴覚検査ですっ!
「はい… それでは〇〇さん…。」
(20人の入った教室の中で、受験票の名前を少し小さな声で呼ばれます。その呼び掛けが聞こえて、返事が出来たらOK~ щ(゜▽゜щ)。)
そして、ラストの紙芝居テスト?
紙芝居のように、動物のイラストをお見せします。そしたらその動物の名前を言って下さいね。
そして、その動物が捕まえていいのか悪いのかも大体5秒くらいでおっしゃって下さい。
26種類います。頑張って下さい❤
「よーしっ!ラストだ~!動物のイラスト写真はちゃんと覚えてきたからね~っ❤」
な~んて…皆さん試験室に一人ずつ入っていくのですが…
「ううっ…!ダメかも。」
「私も緊張しちゃって名前をバカ忘れ…」
「教科書のイラストと、全然違うし!」
「オスかメスかなんて、全然分かんなかった…。」
はうっ!!
「くっ…… なんてこった!」
多分…一番簡単だろうなと、勝手にタカをくくっていた「動物の名前を言う試験」が、一番難しかった…。
「……… ほぇ? うっ?」
試験後に部屋を出てきた顔に「生気」の無い人だらけというありさま…
視線を定められず…独り言を言いながら家路につく受験者…
順番待ちの私達は段々「お通夜」みたくなっていったのでした…。
「参ったわね… まさかこんな落とし穴があるなんてね…。」
「当たってくじけろですっ!」
「そんなぁ~。」
70歳代の奥様が、「試験官さんと仲良くなってまけてもらおうかしら?」なんて冗談おっしゃってましたけど~
どうだったかしら…(´Д`)?
(試験の結果は8月の中旬以降に分かるらしいのですが…)
「ねぇ、試験に落ちてたらどうする?」
「恥ずかしいなぁ~❤」
「今度は猟銃の方も合わせて受けるって、パターンもありかもね?」
「うひゃっ!銃なんて持ったら面白すぎて撃ちまくったりして~!!」
「そうよ、撃っちゃえ撃っちゃえ~!!」
(やがてこのお話が「ガールズ&パンツアー」に続いたという噂は、実は本当なのかもしれない…)
※使用画像 「ガールズ&パンツアー」アクタス製作 「西部警察」テレビ朝日 石原プロモーションより使用させて頂きましたm(__)m❤
夏なので、おまけ!