パーティ
使用時期
2015/05
実績
レーティングバトル シーズン8 1位 / 最終レート2072
2015年ジャパンカップマスターカテゴリ 2・7・8・10位
目次
概要
今さらながら、今年のジャパンカップで使ったバンドリマンダ構築について解説します。
これを使用し、8期ダブルレート2072で最終1位、ジャパンカップ8位を獲得。
また、同じ構築でジャパンカップに出た、see(@see_miruo)さんが2位、もりやま(@mor1yama)さんが7位、psk(@psk_madaka)さんが10位と素晴らしい成績を残せました。
Japan sandと海外のプレイヤーに呼ばれていますがこれは恥ずかしいので止めてください(涙)
ジャパンカップと今では対戦環境が違うため疑問に思う点もあると思いますが、当時を振り返りながら読んでいただければなと思います。
バンドリは5世代の時から存在していたテーマ構築です。私自身も当時から使用しており、ORASで相性のいいボーマンダのメガ進化が追加されたのを機に作成を始めました。
ORASの発売からひと月ほどで今の形が完成しました。ですので、環境に合わせて組んだ訳ではなく、純粋に構築のバランスを高めていった結果になります。ジャパンカップで勝てたのは運による割合も高かったのでしょう。
まずは個別解説を、他のポケモンとの噛み合いを考慮し採用した要素もあるため、各項目を前後しながら見てください。
また技構成は既に公開していたので、それに対してTwitterなどで見かけた疑問に対して重点的に書きます。
個別解説
バンギラス
いわなだれ ダメおし れいとうパンチ けたぐり @こだわりスカーフ / すなおこし
実数値:175-186-131-*-120-124
努力値:A252 B4 S252
性格:ようき
多くの相手を上から殴るためにスカーフ。
「ばかぢから」ではなく「けたぐり」の理由は、不利対面以外での交代を極力したくないことや、確定数の変わる仮想敵が少なかったことなど。「ダメおし」は、モロバレル以外の全ての構成ポケモンと合わせて使用できます。公開当初驚かれた技ですが殆ど選択はしません。対リザードンY、ギルガルドに対してドリュウズの「アイアンヘッド」と重ねて「ワイドガード」を無視して倒せる点などが優秀でした。
上からの「いわなだれ」は勿論強いです。
ドリュウズ
じしん いわなだれ アイアンヘッド まもる @いのちのたま / すなかき
実数値:185-205-81-*-85-140
努力値:A252 B4 S252
性格:いじっぱり
ミラーを考慮せず、単体で出すことがなかったため火力を最大に高める意地っ張りで珠を持たせました。
「じしん」は、構築内で浮いているポケモンがボーマンダしかいないので打ちにくいですが、そもそも殆ど使用する機会がなく、「ドリルライナー」との選択肢を煮詰めきることができませんでした。基本的に先発で出して使い捨てだったため、地面技は一番打たない技でした。
詳しくは後述しますが、このポケモンの選出率が一番低く2割ほどしかありません。
メガボーマンダ
ハイパーボイス りゅうのはどう だいもんじ まもる @ボーマンダナイト / いかく
メガシンカ前:171-*-100-162-100-167
メガシンカ後:171-*-150-172-110-189
努力値:H4 C252 S252
性格:おくびょう
メガシンカ枠。物理耐久と素早さ、一貫性の高い飛行全体技が優秀です。
「ハイパーボイス」の火力はさほどなく、弱点でも一撃で倒すのは難しいですが、相手を4割ほど削る性能はとても高く、このダメージ量はバンギラス、ドリュウズによる弱点を突いた「いわなだれ」(例:ボルトロス、サンダー)やマリルリ、ギルガルドの攻撃と合わせて相手を倒しきるには十分であり構築とうまく噛み合っています。
「りゅうせいぐん」ではなく「りゅうのはどう」にした理由は、バンギラスの「けたぐり」と同じです。
「だいもんじ」は命中が安定しない技ですが、「かえんほうしゃ」だとキリキザンを確定で倒せないため、こちらを採用しました。
高い攻撃種族値を活かせる性格:むじゃき(素早さ↑、特防↓)にしなかった理由ですが、ボーマンダはランドロスより特殊耐久が高く、特防に下降補正をかけなければ、ランドロスを想定した氷技を耐えることができます。これが非常に大きく、「おいかぜ」から展開するサンダーやスイクンの前で一度は強気に動かせます。
モロバレル
ギガドレイン いかりのこな キノコのほうし まもる @ゴツゴツメット / さいせいりょく
実数値:219-*-107-105-129-31
努力値:H236 B132 D140 (S個体値0)
性格:なまいき
B : 146ファイアロー(A-1)の鉢巻「ブレイブバード」で186~218ダメージ(確定耐え)
ボルトロスが辛いためメンタルハーブも試しましたが、対ガルーラスタンへの勝率が大きく落ちたのでゴツゴツメットに落ち着きました。
特殊技の方が受ける機会が多いため、『いかく』を受けた意地っ張りファイアローの鉢巻「ブレイブバード」を耐えるまでBに振り、後は全てDに。ボーマンダの『いかく』と絡めて出す場面が殆どなので不便は感じませんでした。環境では圧倒的にHBバレルが多かったため、モロバレルを処理する相手のプランを崩すことができていたと思います。例を挙げるとルンパッパ+ニョロトノの集中、珠ゲッコウガ、リザードンY、サーナイトなど。
技構成は普通なので省略。
ギルガルド
シャドーボール ラスターカノン かげうち キングシールド @じゃくてんほけん / バトルスイッチ
実数値:167-71-170-112-171-58
努力値:H252 A4 C252 (S個体値0)
性格:れいせい
受け以上にアタッカーとしての性能に期待し、弱点保険を持たせました。
ボーマンダと並べると汎用性が高く、ヒードラン以外には大体対応できたと思います。『いかく』込みで珠ボルトロスの「10まんボルト」+ランドロスの「じしん」を耐えて返り討ちにするなどの動きが強かったです。
「かげうち」は襷のキノガッサやゲンガーを少ない被害で倒すことができます。採用率の低い技なので相手からあまり考慮されず、刺さる場面は多かったです。
「ワイドガード」を採用しなかった理由について。
まず「ワイドガード」を使用したい場面ですが、主に「ハイパーボイス」からボーマンダを、「じしん」からバンドリを、熱風からモロバレルを「まもる」などだと思います。しかし、この構築では隣を守ったところで一撃どころか二回攻撃しても相手を倒すのは難しいです(ニンフィアに対するボーマンダ、ランドロスに対するバンドリなど)。
一撃目を守ったところで連続で打つのは当然択になってしまい安定しません。そもそも「ワイドガード」は読まれやすく見せていなくても相手は考慮して動いてきます。
不確定要素でターンを捨てる可能性を孕むより普通に殴った方が立ち回りが安定します。後半で拘ったポケモンに対して有効な場面もありますが、ギルガルドはこの構築において先発や早い段階で出す方が強く、「ワイドガード」が欲しい終盤まで残る事は殆どありませんでした。「かげうち」と天秤に掛けた際に、明らかに「かげうち」の方が拾える試合は多いです。
マリルリ
じゃれつく アクアジェット たきのぼり はたきおとす @とつげきチョッキ / ちからもち
実数値:207-112-100-*-100-71
努力値:H252 A252 S4
性格:いじっぱり
ガルーラの「ねこだまし」を防げないため、ほぼ後発に置いて使用しました。
オボン持ち想定で相手が行動してくることが多く、動かしやすかったです。
この枠にはウォッシュロトムを採用している構築が多く、当時の私も当然考えていましたがマリルリの方が強いと自信を持って断言できます。
対ヒードラン、ランドロスに対しては、『いかく』を受けるとしても、命中率や「いわなだれ」の妨害を考慮するとマリルリの方が優れています。また、対フェアリーに対してもチョッキを持つマリルリが圧倒的に強いです。
対水タイプですが、電気技のあるウォッシュロトムの方が有利に見えますが、水ロトムはある程度耐久に努力値を割かなければサザンドラ、リザードンYの攻撃を耐えられません。また、オボンを持たせなければガルーラの攻撃を受けられません。そうして調整を施したウォッシュロトムの「10まんボルト」ではスイクン、ミロカロス相手には6割も削れないと思います。そして水タイプのポケモンはオボンの搭載率が非常に高く、一度の行動では実質3割ほどしかダメージを与えられません。これはマリルリの「はたきおとす」で同等の成果を期待出来ます。
また、対面した際にマリルリはウォッシュロトムと違い弱点技を嫌って交代されることがなく、想定通りに展開を運びやすいです。火傷狙いの「ねっとう」などもありタイマン性能は劣りますが、他のポケモンで倒せるように削る仕事は問題なくこなせます。
雨パのルンパッパ相手にもチョッキマリルリは強く、一見こちらが不利に見えるため対面しても狙われないことがあります。
対電気タイプ性能は流石に分が悪いですが、珠ボルトロスは返り討ちにできるほか、耐久ボルトロスやサンダー、ウォッシュロトム相手でもオボンや食べ残しを叩いて5割程度のダメージを与えることが可能です。
対「トリックルーム」もマリルリの方が強いです。
その他ギルガルド、クレセリアにも有利で、たまにいるユキノオーなどにもある程度対応でき、こちらの方が書き切れないほどの利点があります。
水ロトムと違い地面が一貫してしまう点に対しては後述の立ち回りで対策が可能です。
立ち回り
私がバンドリを使う際に気を付けたのは、「いわなだれ」に極力頼らないことです。怯みは強力で、害悪で、悪魔的な魅力がありますが、多用は止めましょう。
ダブルバトルは勝率9割を目指して構築やプレイングを洗練していくルールだと思っています。
自分なりに運に頼らない立ち回りを模索しました。
まずガルーラ、ランドロスをパーティに入れている相手には、ドリュウズを必ず選出しないようにしていました。
バンドリは『いかく』を撒かれると、交換するか「いわなだれ」で怯ませるしかありません。
バンドリマンダは上から相手を制圧する攻撃型の構築と捉えている方が多いと思いますが私はそうは思いません。綺麗に組み合わせた相性補完によりサイクル戦を仕掛ける防御よりの構築だと思っています。
低耐久のドリュウズを抱えての交換合戦はうまく機能せず、どうしても「いわなだれ」に頼る展開が多くなります。ガルーラスタンに対してはギルガルド+ボーマンダ+αの選出で互角に戦えるため、立ち回りで勝てるように対戦経験を積みました。
ガルーラが強すぎるため使用者も多く、結果的に殆どバンドリ選出をせずボーマンダスタンとなった感じですが、ドリュウズが不必要という訳ではなく、相手の選出が読みやすい、リザードン、サーナイト構築に滅法強いなど充分な活躍をしてくれました。
この構築での地面の一貫性ですが、これはランドロスを釣って倒す目的があります。相手はほぼ必ず選出してきますが、上述の通りドリュウズを軸に攻めなければ逆に得意な相手です。意外に思われるかもしれないですが、「じしん」を打たれて困る展開は殆どなく、「いわなだれ」を選択されることが多かったです。マリルリは「アクアジェット」、ギルガルドやモロバレルは多少怯んでも問題ない耐久があるため、ランドロスが重くて負けることはありませんでした。
バンドリマンダ構築には致命的な欠陥があります。相手に交換が読まれやすく、それに合わせた行動をされるとどうしようもない場面が多いことです。
先発の対面で負けても、後発からどちらのポケモンも出せるように選出を決める、ボーマンダ方向に氷技が飛んできそうなターンに、バンギラスではなくあえてモロバレルを投げるなど、交換読みをされるリスクを減らす立ち回りを心掛けていました。
おわり
最後になりますが私の考え方が正解という訳ではありません。おかしいと思った点があれば脳内で批判してください。
直接指摘するのは止めましょう、悲しいので。
著者
フレデリカ(@0p0t0p0t0p0t)
2014年日本代表決定大会出場
2015年日本代表決定大会ベスト8(日本代表選手権利獲得)