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 広島の原爆で弟や姉ら10人の親族を亡くした被爆者がいる。横浜市戸塚区の松本正さん(85)。6日夜、原爆ドームそばの元安川で弟の遺影を抱え、灯籠(とうろう)流しに初めて参加した。被爆71年の夏。「心残りだった供養がやっとできた」

 爆心地から3・5キロの軍需工場で被爆。炎の街をひたすら歩き、母が待つ郊外の疎開先へ。そのころ、爆心地の近くに学徒動員中だった弟の勝さん(当時12)が大けがを負っていた。

 「お兄ちゃんが助けに来てくれる」。勝さんはそう言い残し、まもなく息を引き取ったと後に聞いた。救えなかった悔しさと自責の念にさいなまれ、被爆体験をずっと黙っていた。

 転機は2年前。神奈川県内の高校で初めて被爆証言に立った。出席予定だった被爆者の都合が悪くなり、急きょ頼まれた。耳を傾けた高校生から多くの感想文が届いた。「戦争はいやです」「平和の大切さがよくわかった」。弟をはじめ10人の親族を失った自分にしかできないことがある。そんな思いが芽生えた。

 今年5月、広島を訪れたオバマ…

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