今夜は『海猿』シリーズ最高傑作…
前例のない…
(男性)はぁはぁ…。
(下川)広大な海に四方を囲まれた海洋国家である日本国においてわれわれ海上保安庁は全国を十一管区に分け海上保安業務を遂行しています。
(下川)しかし海難救助において唯一全ての管区にまたがって救助活動を行っている組織があります。
それが海上保安庁特殊救難隊。
略して特救隊です。
第三管区に所属し羽田空港施設内に基地を構えている特救隊はわれわれの組織の中でも最高レベルのレスキュー能力を持ったチームで海上保安官1万3,000人の中から選ばれた精鋭36人が6チームに分かれて構成されています。
火災爆発や有毒ガスなどの化学性危険物にも対応し潜水士や機動救難士では手に負えない特殊な海難においても出動要請があれば日本全国どこにでも駆け付け救助活動を行います。
(下川)彼らが出動する海難現場は常に死と隣り合わせの危険があるため日々過酷な訓練を行い体力精神力高度な知識スキル判断力を鍛え上げながら危険な任務に備えています。
(下川)言うなれば特救隊は海難救助の最後のとりでなのです。
(仙崎大輔)水面よーし!仙崎大洋行きまーす!どぼーん!ぶくぶくぶく…。
(大洋の笑い声)
(大輔)残圧は常に確認しろよ大洋。
(吉岡哲也)食べましょうよ大輔さん。
せっかく環菜さん作ってくれてるんすから。
(仙崎環菜)はい美香ちゃん。
(矢部美香)ありがとうございます。
(環菜)食べてね。
(吉岡)大洋。
まんま。
(吉岡)おいしいぞ。
座って座って。
はい。
まんまの前にボンベ下ろせる人?
(仙崎大洋)ボンベ下ろす。
(吉岡)お〜!すげえじゃん大洋!覚えたな。
遠慮すんなよ美香ちゃん。
こいつね鹿児島でもしょっちゅううちで飯食ってたんだから。
(美香)いつもメールに書いてくれます吉岡君。
今日は大洋君のお誕生日会したんだとか環菜さんたちの結婚5周年のお祝いしたんだとか。
いやホントはね美香ちゃんに会えなくて寂しくてうちに入り浸ってただけだよな。
(環菜)横浜に来れてよかったね吉岡君。
はい。
今じゃもうがっつり付き合ってますから。
やめてよ。
(吉岡)な…何で?恥ずかしいでしょ。
(吉岡)いや恥ずかしいっすか?がっつりって。
うるせえな。
人んちでイチャイチャしやがってこの野郎。
いやイチャイチャしてないっすよ。
なあ?
(美香)すいませんもう。
うちなんてうちなんてもう2人目がっつり生まれるもんな。
(吉岡)そうですよ!よかったな大洋。
お前お兄ちゃんになるんだぞ!
(美香)大洋君も将来は海上保安官になるの?
(環菜)えっ!?
(吉岡)おっ入れ入れ!パパの後を継げ。
いやいや男は親を超えなきゃ。
大物にならなきゃダメだよ。
大物って総理大臣とかっすか?
(美香)総理大臣!?何でいきなりそこに行くの!?小さい小さい。
世界のトップだよお前。
世界っすか!イエス!世界だよ。
アメリカ大統領になれ大洋。
はい!?そう!
(吉岡)いやいやいや大輔さんアメリカ大統領はほら…。
おう。
英語ができなきゃな。
そう!イエス!言ってみろ大洋。
(2人)エイビイ…。
やめて!大洋にバカがうつる。
もう!
(大輔・吉岡)エイビイシー。
違うシーじゃねえ。
スィーだよ。
舌をかんでスィーだよ。
(吉岡)シァー。
シァー。
スィーだから!スィーだよ。
(大輔・吉岡)エイビイスィーからのデーみたいな。
(環菜)うるさいってば。
(大洋)よしおか〜。
(吉岡)えっ!?呼び捨て…。
カワイイよな〜。
ごめんな環菜。
ん?子育て大変なのに特救隊に入りたいなんて。
大輔君のことだからいつか言いだすだろうなと思ってた。
人命救助の最前線にいたいんだもんね大輔君は。
大洋はいつか分かってくれるかな?俺の仕事のこと。
分かるようになるまで頑張らなきゃね。
ああ。
ケガしないでね。
うん。
(久坂陽子)今日は太平洋上空に発達した低気圧の影響で少々揺れが予想されますのでベルト着用の徹底を図ってください。
DUTY中のキャビンウオッチを確実に行うように。
(久坂)それではシップに向かいます。
よろしくお願いします。
(一同)よろしくお願いします。
(戸川弘樹)CA!?そう。
美香ちゃんはスィーエイ!キャビンアテンダント!何だよ〜。
(山根直人)ホントか吉岡。
(吉岡)ああまあ…。
(戸川)何で海上保安官がCAと付き合えるんですか!?いやだから…。
彼女実家が鹿児島でさ…。
(戸川)あっ副隊長。
おはようございます。
おはようございます嶋さん。
(嶋一彦)ああ。
あれ?どこまで…。
(戸川)鹿児島で…。
そうそう。
鹿児島で合コンやったとき彼女が友達に誘われて来たってわけ。
(吉岡)それで知り合って。
こいつが特救隊に入って横浜来たからやっとこの春から毎朝デートできるようになったと。
デートじゃないですって。
よかったなよちおか〜。
よちおかよちおか。
(嶋)仙崎!はい。
(嶋)仲がいいんだな吉岡と。
こいつとはずっとバディだったんです。
はいっ。
はい〜。
(嶋)いいか。
ここは少数精鋭の集まりだ。
現場でパートナーを組むことがあっても自分の命は自分で守るのが特救隊員だ。
いやそれはもちろん分かってます。
(ロッカーの閉まる音)
(嶋)特救隊は仲良しクラブじゃないんだよ。
山根!
(山根)はい。
(嶋)仙崎の方が年上でもここじゃお前が先輩だろ。
くだらないバカ話に乗ってどうする。
(山根)はい。
(嶋)戸川!
(戸川)はい!
(嶋)お前もだ。
(戸川・山根)すいません。
・
(救難信号の音)
(角倉大吾)大阪湾でタンカーとコンテナ船が衝突。
吉岡。
はい!
(角倉)タンカーは爆発炎上し沈没。
コンテナ船に数名の乗組員が取り残されているもよう。
第五管区から特殊救難隊一個隊派遣要請あり…。
(角倉)現在中心気圧945ヘクトパスカルの台風が九州へ接近中。
現場の大阪湾は大しけだ。
コンテナ船の沈没も時間の問題だ。
五管機動救難士が船内から3名を救助したところでコンテナ船の積み荷からトルエンが漏れ始めたそうだ。
(山根)トルエンですか。
(戸川)よりによって。
(角倉)トルエン対応の注意点は分かってるな吉岡。
引火性が強く毒性もあり許容濃度は50ppm。
これは特救隊でしか対応できない事案だぞ。
(2人)はい!
(通信士)コンテナ船が爆発炎上。
機動救難士全員待避!
(無線の声)各船火災風下側から退避。
付近海域において監視警戒に当たれ。
(無線の声)五管機動救難士該船より離脱完了。
(無線の声)巡視船「とさ」了解。
これより右回頭し…。
(無線の声)現在コンテナ船右舷船橋下のデッキ上に要救助者2名。
目視にて確認。
意識状態は不明。
右舷船橋下のデッキ上に要救助者2名。
目視にて確認。
意識状態は不明。
(五管機動救難士)クソォ…。
(五管機動救難士)特救隊だ!
(角倉)トルエンの流出を確認。
これより風上からのエントリーによる救助に掛かる。
降下者は嶋と仙崎。
ライフゼム装着。
(嶋・大輔)はい。
(角倉)船の傾きが大きくなってきたな。
行けるか?
(嶋)行けます。
大丈夫です。
(海上保安官)ドアオープン。
(嶋)導通結着。
降下ロープ結着。
カラビナ安全環よし。
巻け!
(吉岡)大輔さん気を付けてくださいよ。
(嶋)確保解け。
(海上保安官)降下準備よし。
(嶋)降下!
(海上保安官)降下開始。
(嶋)可燃性ガス反応ゼロ。
ライフゼム外す。
これより要救助者のピックアップに掛かる。
ライフゼム外す。
大丈夫ですか?大丈夫ですか?海上保安庁です。
嶋さん。
意識あり!
(嶋)意識あり。
これよりつり上げ準備に掛かる!
(海上保安官たち)1・2・3!
(吉岡)もう大丈夫ですよ。
大丈夫です。
よく頑張りましたね。
(吉岡)酸素投与します。
助かりましたよ。
安心してくださいね。
(戸川)もう1人います!行きます!
(嶋)間に合わない。
もう沈む。
結着する。
ロックよし。
ピンよし。
確保解け。
カラビナ安全環よし。
(角倉)無理だ仙崎!降下!
(吉岡)大輔さん!
(男性)うっ…。
動かないで!
(男性)助けて!つかまって!うわっ!
(男性)助けて!うっあっ…ああーっ!
(無線の声)巡視船「せっつ」から各船。
退避せよ。
(無線の声)関空こちら保安687。
特救隊1名および要救助者1名が海に投げ出されたもよう。
(吉岡)ああっ!
(角倉)スリング用意しろ!
(山根)はい!要救助者を見失いました。
上空から確認して誘導してください。
(吉岡)大輔さん!
(角倉)つかまれ!
(角倉)早くつかまれ!
(山根)危ない!
(警告音)
(嶋)下がり過ぎだ!大輔さーん!
(基地アナウンス)LAJ501。
1830関空基地発予定。
羽田帰投の特救隊は器材撤収を済ませ待機せよ。
繰り返す。
LAJ501。
1830関空基地発予定。
羽田帰投の特救隊は器材撤収を済ませ待機せよ。
以上。
要救助者がもう1人いるって分かっていたら…。
分かってたって助けるのは無理だった。
目の前で助けを求めていたんですよ。
危険だと判断したら俺は行かない。
たとえ要救助者までの距離が1mでもな。
俺たちが出動するのは潜水士や機動救難士が手を出せない現場だ。
そこで判断を誤ったらもう助けは来ない。
特救隊は最後のとりでだ。
だからこそ諦めてはいけないんじゃないですか。
俺は全員を助けたいんです。
なるほど。
その年で特救隊に入ろうなんてやつはそういうことを平気で口にできるわけか。
6年前のフェリー事故。
おととしのオイルリグの事故。
お前が遭難者を助け出したんだって?大した活躍じゃないか。
だがな結局はお前自身が仲間に救助されてる。
俺に言わせればああいう状況を作ってしまったこと自体がすでに失敗なんだよ。
そして今日もお前は同じミスをした。
根拠のない自信がああいう事態を招いたんだ。
いいか。
レスキューに必要なのはスキルと冷静な判断力だ。
諦めるとか諦めないとかそういう次元でやってたらお前はまた遭難する。
それを助けようとして他の隊員が死んだらどうするんだ。
(角倉)ずいぶん落ち込んでるみたいだな仙崎は。
(角倉)あんなに気持ちを前に出してくるやつは久しぶりだ。
君は気に入らないようだが。
特救隊員は全海上保安官の中から選ばれた特別な人間であるべきです。
(角倉)「特別な人間」か。
違いますか?
(角倉)いやそのとおりだ。
君はまさにそうだし仙崎も何か特別なものを持ってるかもしれない。
運だけで上がってきたやつと一緒にしないでください。
失礼します。
・
(ドアの開閉音)
(服部拓也)悔しかったです。
要救助者を目の前にして現場離脱しなきゃいけないなんて。
(服部)見てました。
さすが特救隊です。
俺らじゃどうすることもできなかったのに。
1人…救えなかった。
でもベストを尽くしたじゃないですか。
あそこで諦めてたら仙崎さんじゃありません。
あっ。
これから羽田に戻るんですよね。
俺今週末訓練で横浜に行くんでよかったら飯でも誘ってください。
お疲れさまでした。
服部。
はい。
お前はあんまり無茶をするな。
は?俺なんかを手本にしてちゃダメだ。
仙崎さんは俺の目標です!環菜!大洋は?大丈夫か?大洋。
痛くないのか?
(環菜)もう落ち着いたみたい。
病院じゃ泣き叫んでたけど。
転げ落ちたってどうして?駅の階段下りてたら駆け込み乗車の人が後ろからわーってぶつかってきて。
手つないでたんだけど大洋転げ落ちちゃって。
傷の程度は?二針縫った。
でも脳に異常はないって。
そうか。
はぁ…びっくりした。
ごめんなさい。
大ごとにならなくてよかったじゃん。
なあ大洋。
もう大丈夫か?なあ。
よしよし。
もうどうしようかと思った。
救急車はなかなか来てくれないしこの子は血流して痛い痛いって泣いてるし。
大変だったな環菜。
大洋抱いて待ってる間私すごく考えちゃったの。
こんな世の中に生まれてくるこの子はもしかしたらとってもかわいそうなんじゃないかって。
大洋だってこれから大変なことがたくさん待ってる。
今が幸せや希望にあふれた時代だなんて思ってる人は誰もいないもん。
みんな自分のことで精いっぱいで私たちが子供のころとは全然違う。
環菜…。
私…産むのが不安になってきちゃった。
まあいいことだって世の中にはたくさんあるよ。
大丈夫だって。
そんな心配すんなよ。
大輔君の大丈夫は当てになんない。
だって根拠ないんだもん。
根拠ってさ…。
そんなもんなくたって俺たちが強い気持ちでさ…。
(環菜)大洋もう寝よっか。
ね?よいしょ。
帰ってくるのはあしたのお昼。
じゃあまたメールするね。
じゃあ仕事頑張ってね。
(吉岡)美香!ん?
(吉岡)俺たち10カ月以上さまあ電話とかメールばっかりだったけどいろんなこといっぱい話し合ったから逆に深く分かり合えたっていうか。
(美香)何?
(吉岡)だからこれからは…。
(車内アナウンス)間もなく整備場。
(美香)ねえ。
(吉岡)つまり…つまり。
着いたよ!
(吉岡)そう着い…えっ?あ…もう降りなきゃ。
ねっ。
(吉岡)あっ…。
また後でメールするから。
(吉岡)そうか…分かった。
じゃあね。
ああっ!もっと早く切り出せよ俺は!だあっ!バーカ何やってんだよ!美香ちゃんは絶対に意識してるぞ。
結婚を?当たり前だろ!女の方がメチャメチャ考えてるって。
ホントに!?バカ。
ったくしょうがねえな。
俺が取って置きのプロポーズを教えてやるよ。
マジっすか!?いいか?はっ。
美香ちゃんの目をじっと見て。
はい。
お前に…。
チェックインはダメっすよ。
えっ!?絶対ダメ絶対引く。
いや俺は真面目に…。
ダメダメダメダメ。
だってそれはほら大輔さんの持ちネタだから。
何だよ持ちネタって。
頂けませんよ。
ん〜じゃあ…。
はい。
俺と結婚してくれ。
OKならゴツンと来い。
ヤベえ…超カッコイイ。
これなら愛もパッションも伝えられるぜ。
いいっすね!だろ?あっいやでも…。
何だよ?「ゴツンと来い」が微妙に暴走気味な感じが。
そうか?「ゴツンと来てください」じゃダメですかね?それ弱くねえか?俺と結婚してくれ。
OKならゴツンと来てください!はい。
(2人)おおーっ!思わず…。
来た〜!いいじゃねえか吉岡。
それで行け!ありがとうございます大輔さん!シャア〜!シャア〜!よっしゃ〜!待ってろよ美香!
(山路拓海)バカヤロー!そこで一生水遊びしてろ!
(角倉)次嶋と仙崎!ああっ!ゴーゴーゴーゴー!行け!大輔さん!
(山根)行け行け嶋さん!記録更新狙えますよ!
(吉岡)行けます行けます!まだ行けるって!ああっ!
(戸川)仙崎さんどうした!ほら行け〜!
(角倉)なかなか頑張ってますよ仙崎と吉岡は。
(下川)実は仙崎は十管の隊長に昇格が決まってたんです。
それを蹴って特救隊に?ファイトファイト!
(下川)あいつの人を助けたいという思いはなかなかのもんですよ。
(環菜)相談?
(美香)あっ相談っていうか吉岡君のことで。
(環菜)うん吉岡君?彼私に何度もプロポーズを…。
(環菜)えっされたの?いやされたっていうか時間の問題…。
うわ〜よかったね!おめでとう!あっすいません…。
ん?私は…結婚する気はありません。
えっ何で?どうして嫌なの?何で結婚したくないんだよ?分かんないよ。
あんな仲いいのに?何でだよ?ちょっとどいてよもう!何か人には言えないような理由があるんじゃないの?理由?何だよ?理由って。
えっ!美香ちゃん他に好きな人でもいんのかな。
だから分かんないって言ってるでしょう!いや〜。
あれ?何で洗濯機に入れてんだ。
俺吉岡を思いっ切りたきつけちゃったよ。
ああやだ。
私も動揺してる。
今ごろあいつ美香ちゃんにプロポーズしてんぞ。
えっ!?
(美香)じゃあもうここでいいから。
(吉岡)え…部屋まで送るよ。
(美香)あしたから当直なんでしょ。
(美香)ほら早く帰って寝なきゃ。
(吉岡)いや…。
(美香)じゃあおやすみ。
美香!大事な話があるんだ。
(美香)また今度にしない?ほら吉岡君早く…。
分かった!俺と結婚してくれないか?OKならゴツンと来てください!
(美香)今のままじゃダメなの?えっ?いいじゃない。
ずっとこのままで。
このまま?いやでも…。
(美香)興味ないのよね結婚に。
えっ?嫌なの結婚は。
どうして?仕事辞めたくないし。
(吉岡)別に辞めなくても…。
私の方がお給料いいのに?それに海上保安官の奥さんなんてずっと心配してなきゃいけないしあり得ない結婚なんて。
美香!俺は本気でお前のことが好きなんだ。
確かに俺の方が給料安いかもしれないし心配かけることもあるかもしれないけど絶対美香に後悔はさせない。
俺は絶対命懸けで美香を幸せにする。
結婚してくれ美香。
ごめんなさい。
私は無理。
誰か他の人見つけて。
(英語の会話)
(村松貴史)本日もG−WING206便シドニー発羽田行きをご利用いただき誠にありがとうございます。
当機は順調に飛行し…。
(久坂)未央さん。
47Dのお客様にホットコーヒーお願い。
(下鳥未央)はい分かりました。
ありがとうございます。
いい?もう。
また返事しないんだから。
ごちそうさま。
あと1時間ぐらいで羽田に着くからね。
(池永俊介)はい。
一人で飛行機に乗るなんてすごいね。
(俊介)千葉のおばあちゃんに会いに行くの。
じゃあおうちはシドニー?
(俊介)お父さんの転勤で…。
(衝撃音)
(悲鳴)
(村松)ナンバー1エンジンファイヤースイッチプル!
(二ノ宮浩平)ナンバー1エンジンファイヤースイッチプル!
(村松)ナンバー1エンジンファイヤーチェックリスト。
(二ノ宮)ラジャー!
(警告音)オーパイ切れたぞ!
(ざわめき)
(衝撃音)
(乗客)わーっ!何が起きてるんだ!?ナンバー2エンジンのパラメーターが異常です!マックスパワー!
(二ノ宮)ハイドロプレッシャー。
なくなってきてます!
(村松)ディセント!
(二ノ宮)ハイドロ12…。
(村松)ディセントだ!
(悲鳴)
(三井邦明)事故対策本部に集められているのは国交省航空局警視庁神奈川県警千葉県警それから東京消防庁ならびに千葉市消防局の担当者です。
トラブルが起きたのはいつだ?
(三井)G−WING206便からのエマージェンシーを捜索救助衛星システムが受信したのは約15分前。
エンジンに異常が発生しコントロール困難な状況になったと。
下川救難課長です。
(辻修平)どうぞこちらへ。
(記者)海上保安庁の方ですか?
(記者)事故の詳細は?
(辻)道空けて!道空けて!
(辻)海上保安庁はあちらへお願いします。
(辻)管理官。
海上保安庁の下川救難課長です。
(伊勢原幸二)国交省航空局の伊勢原です。
(坂巻健司)坂巻です。
(下川)下川です。
(伊勢原)トラブルを起こしたのはシドニー発羽田行きG−WING206便。
機種は747ダッシュ400。
乗客乗員合わせて346名を乗せたジャンボジェットです。
ジャンボ…。
206便は伊豆諸島上空で左エンジン2発が停止。
さらに3つの油圧系統がダメになってコントロールが非常に困難な状態になりました。
(堂上進二郎)何度も同じことを言わせるな!正確な情報だけを挙げろ!まったく。
(坂巻)羽田空港長の堂上さんです。
(伊勢原)現在206便はフライトルートを大きく外れ伊豆諸島上空で迷走中です。
おそらくエンジンの出力と右翼側のエルロンのみでコントロールして針路を立て直そうとしてると思われます。
(角倉)シドニーから羽田に向かっていたG−WING206便に深刻なトラブル発生。
コントロールが非常に不安定な状態で飛行中。
着陸の際に事故になることも予想される。
われわれは206便が落ちた場合に備えて羽田沖で待機することになった。
その飛行機には何人乗ってるんですか?乗客乗員合わせて346名。
(戸川)346!?
(角倉)山路隊長!
(山路)はい!
(角倉)三隊は東京保安部からゴムボートにて羽田沖待機。
(山路)はい!
(角倉)われわれ二隊は巡視船「いず」と合流。
(海上保安官たち)はい!
(記者)206便に何が起こったんですか?
(記者)教えてくださいよ!
(記者)墜落したんですか?
(辻)ちょっと待って!
(記者)どこに落ちたんですか?まだ落ちたわけじゃありません!206便はちゃんと飛んでます!
(堂上)206便の着陸にはより東京湾に近く危険を回避できること。
また滑走路が長いことを考慮してこのC滑走路を南からの進入で使用します。
(堂上)他の離陸機はこのA滑走路を使用。
着陸機はダイバートさせB・D滑走路は閉鎖。
(伊勢原)ただし羽田周辺に現在吹いている北東からの風はC滑走路に対して風速18ノットから20ノットの強い横風です。
ジャンボ機が片側エンジンのみさらに油圧も利かない状態で着陸するには非常に難しいコンディションです。
(堂上)206便は右翼のエンジンしか生きていませんからこう機首を右に向けた斜めの状態で進入してきます。
ですがここで横風にあおられると機体のバランスは簡単に崩れる。
最悪の場合機体は滑走路から外れて大事故になる可能性も。
・
(航空局職員)写真です!航空自衛隊の「RF−4E」が三宅島上空で206便を撮影しました。
(坂巻)写真?えっ…ちょっと。
(坂巻)第2エンジンが脱落してる。
(伊勢原)この傷は?
(堂上)エンジンが後ろに飛んだときにぶつかったんでしょう。
ひどいな。
(G−WING社員)ハイドロラインが切断されている可能性がありますね。
こんな状態で飛んでるなんて。
ターンライトサーティ!
(二ノ宮)はい。
ターンライトサーティ!
(村松)バンク入り過ぎだ!もっとパワー出せ!リミットです。
EGT超えてます。
(村松)パワー!
(どよめき)
(中田真沙)座席ベルトをしっかりお締めください!お子さまは膝の上でしっかりと抱いてください!座席ベルトをしっかりお締めください!
(アナウンス)「おかけになった電話は電源が入っていないか電波の届かない場所にあるためかかりません」「おかけになった電話は…」
(通話を切る音)美香…。
(山根)お願いします。
(戸川)行くぞ。
(山根)はい。
(吉岡)俺たちに出番があるとしたら…。
それは…。
飛行機が海に落ちたときなんですよね。
乗ってるのか?美香ちゃんが。
落ちるわけありませんよね?俺らの出番は来ませんよね?当たり前だろ。
無事に着陸してはい撤収だよ。
俺たちは。
(嶋)吉岡は置いていく。
えっ?レスキューに必要なのはスキルと冷静な判断だ。
要救助者に身内がいたら冷静な判断はできない。
隊長には俺から伝えておくからお前はあいつの作業を引き継げ。
待ってください。
彼女の無残な姿を見ることになるかもしれないんだぞ吉岡は。
そんなの分からないじゃないですか。
飛行機事故で助かった人もいます。
全員助かると信じて現場に行くんでしょう俺たちは!特救隊が最初から諦めてどうするんですか!?何度言ったら分かるんだ?お前は感情的になり過ぎなんだよ。
俺行きます。
大丈夫ですから俺は。
さすが長年のバディだな。
似てるよお前らは。
嶋さんは…。
嶋さんには感情はないんですか?そんなもの現場には必要ない。
(サイレン)
(無線の声)司令室から出動中の各隊17時目安206便がC滑走路緊急着陸予定。
消防4号5号7号にあっては建物衝突による火災に備えよ。
(リポーター)シドニー発羽田行きG−WING206便に深刻なエンジントラブルが発生したもようです。
間もなく206便が到着するここ羽田空港では全ての航空機の着陸を禁止し離陸においてはA滑走路のみを使用している状態です。
(角倉)風が強いな。
(山根)現在北東の風約20ノットです。
来ました。
安全姿勢は安全のしおりを…。
(中田)締めるね。
(久坂)両手でしっかりお座席をつかんでください。
ベルトはこの位置で頭をしっかり付けてください。
(美香)もう少しきつく締めるね。
大丈夫。
大丈夫だから。
Touchyourheadforheadtothesheet.ギアダウン!
(二ノ宮)ギアダウン。
(二ノ宮)ギア降りました。
(村松)ランディングチェックリスト。
(二ノ宮)ランディングチェックリスト。
(リポーター)206便のライトが見えてきました。
お分かりになるでしょうか?G−WING206便がゆっくりと…。
(職員)500フィートを通過。
(坂巻)風速はまだ20ノット。
ほぼリミットに近い状況です。
着陸を強行させるんですか?最終的な判断は206便村松機長に委ねる。
機長ができると判断すれば着陸を強行します。
(坂巻)間もなく着陸。
車輪が出ていません。
(管制官)G−WING206ギアノットエクステンドチェックギアダウンアンドロックド206便ギアが出ていない。
ええっ!?キャプテン!ゴーアラウンド!マックスパワー!
(悲鳴)
(管制官)ゴーアラウンド。
エクスキュートゴーアラウンド。
ライトヘディング150。
クライムアンドメインティン3000。
フラップ20!
(二ノ宮)フラップ20!
(二ノ宮)ギアはダウンアンドロックの表示が出てますよキャプテン!油圧系統とギアシステムがいかれたんだ。
(アナウンス)着陸は中止。
(戸川)どうなってんだ!?
(アナウンス)詳細を確認中。
指示があるまでその場で待機。
何食べたい?
(大洋)ドーナツ。
ドーナツ食べたい?よしドーナツ食べよっか。
(男性)ちょっと見てごらん。
(男性)飛行機事故だってよ。
(女性)えっ?大変。
(リポーター)まだ再着陸のめどは立っておらず346名を乗せたジャンボ機は今も飛行を続けています。
残りの燃料はすでに2時間分を切っているとの情報も入っており空港内は依然緊迫した雰囲気です。
美香ちゃん…。
ギアが出ない!?
(堂上)村松機長は「あらゆる手段を尽くしたが車輪は出ない」と。
(三井)「出ない」って…。
(辻)じゃ…じゃあどうやって着陸させるんですか?
(伊勢原)残りの燃料は?
(G−WING社員)80分ぶんです。
ですが80分も飛んでられるかどうか…。
(堂上)胴体着陸しかない。
(三井)「胴体着陸」?あの状態でD滑走路に…。
(坂巻)ジャンボですよ!?片側の車輪が出たままで胴体着陸なんて…。
(消防幹部)バランスを崩して機体が大破するぞ。
乗客が無事でいられるわけがない。
そんなの着陸とは言わないでしょう。
墜落ですよ!じゃあ燃料がなくなるまでずっと飛び続けろって言うのか!?どうにかして降ろさないと誰も助からないんだぞ!東京湾に着水させたらどうでしょう?海に降りれば少なくとも建物への衝突や炎上の可能性はありません。
乗客乗員へのダメージも軽減できます。
(伊勢原)海上着水ですか…。
(辻)そんなことができるんですか。
(三井)2009年ニューヨークのハドソン川にUSエアウェイズ機が着水して乗客乗員全員が助かりました。
あれはたまたま近くにいた船が救助したからだ。
(伊勢原)着水に成功したとしてもジャンボが浮いてられるのはせいぜい20分です。
(坂巻)沈みだしたらあっという間に東京湾の底です。
着水地点を決めてそこにわれわれが待機し飛行機が着水すると同時に救助に当たるんです。
警察消防海保が総力で臨み15分で全員を脱出させましょう。
空にいる346名を助ける方法が他にありますか?どこに着水させるんですか?危険を回避するためにはまずコンビナートから離れた場所。
さらに船の航路から外れていて北東からの風に対し南西から進入していける…。
上空から分かる目印も必要ですよ。
ここだ。
海ほたるを目印にして羽田沖5km地点。
(三井)ここなら何とか1時間で救助態勢を整えることができます。
(伊勢原)1時間!?
(堂上)下川さんそんなには待てませんよ。
(下川)待てない?
(伊勢原)1時間後には日が落ち過ぎて目視では海面との距離間がつかめなくなります。
(堂上)見えない海上に着水するのは絶対不可能だ。
(坂巻)それこそ自殺行為ですよ。
(伊勢原)何とか日が傾く前に救助態勢は取れないんですか?選択肢はないのか…。
えっ?胴体着陸?
(嶋)海上への着水は検討されなかったんですか?地上に降りて建物にぶつかるよりましでしょう。
(角倉)海上着水も検討されたそうだ。
だが救助態勢が整うまでに海面が見えなくなるという理由で却下された。
(山根)はぁ…。
(戸川)そっか…。
僕らは何もできないんですか?
(角倉)引き続き海上で待機し続けるしかない。
(坂井義之)胴体着陸はD滑走路を使用することが決定した。
本船は206便がオーバーランしたときに備えD滑走路北東端1マイル付近に船位する。
(荒川智徳)これより航走を開始する。
(通信士)はっ。
本船は羽田空港D滑走路…。
隊長。
(角倉)何だ?仙崎。
海面が見えればいいんですよね?
(伊勢原)滑走路への胴体着陸となればある程度の火災は覚悟しなければなりません。
それを最小限に抑えるために206便はぎりぎりまで上空を旋回し燃料を減らしてください。
(村松)了解しました。
ちょっと待て。
課長現場の特救隊員が…。
下川課長に直接説明しろ。
下川だ。
仙崎です。
仙崎。
海面が見えなくても着水できるよう滑走路を造ったらどうでしょう?
(下川)滑走路?海上にライトを並べるんです。
上空からはっきりと見えるように誘導灯を造るんです。
誘導灯…。
そうすれば206便の着水時刻を遅らせることができます。
僕たちが救助態勢を取る時間が確保できますよ。
大輔さん…。
そんなことができるんですか?
(堂上)ジャンボを誘導するには進入灯だけで最低900m。
滑走路灯は2,000m必要です。
仙崎。
3,000m近い誘導灯を造るとなると相当な数の明かりを並べなければならないぞ。
206便の燃料を考えると時間は60分しかない。
できるのか?下川さん。
希望があるかぎり絶対に諦めるなと教えてくれたのは下川さんですよ。
やらせてください下川さん。
お願いします!
(村松)海上着水で行きましょう。
機長!誘導灯を造ってもらえるならわれわれにとってそれ以上の希望の光はありません。
(村松)海上着水で行かせてください。
(伊勢原)海上着水だ!
(一同)はい!
(伊勢原)海上着水で行きます!仙崎。
直ちに誘導灯設置に取り掛かれ。
はい。
発光ブイと水中ライト集めるぞ。
(一同)はい!
(角倉)特救基地に戻ります。
ヘリの離船準備をお願いします。
(下川)全巡視船を着水地点に集結させろ。
現場海域に停泊中および通行予定の船舶は全て移動させるんだ。
(三井)分かりました。
(警察幹部)われわれ警察も全力を挙げて海上保安庁をサポートします!
(消防隊員)はい。
はいお願いします。
(赤十字社員)大至急ドクターを集めてくれ。
過去の海上着水のデータを全て調べろ!ジャンボを海に…。
(角倉)進入灯は縦に900m。
横に30mのT字形。
滑走路灯は60mの間を空けて2,000mを2本。
200個近いライトとブイが必要になりますね。
特救隊と三管にある物だけではとても足りないですよ。
消防警察自衛隊に器材の協力要請だ。
(戸川)はい!
(嶋)着水地点は潮の流れが速い。
海上にこれだけ多くのライトを一直線に並べるのは難しいぞ。
流されないように全部のブイにアンカーを付けましょう。
巡視艇に測定してもらってずれたブイだけわれわれが修正する。
いずれにせよ時間との勝負になるぞ。
(一同)はい!
(船員)今日の潮だと間違いなく釣れますよ。
ハハハッ。
・
(永島康太)すいません!
(男性)何何?
(永島)今日は出港を控えてください。
(乗組員)出港を控えろ!?
(土屋誠)お願いします。
(乗組員)何でだよ!?
(野村栄司)この先の沖にジャンボ機が海上着水するんです。
「ジャンボ」!?
(野村)はい!ジャンボ。
(海上保安官)こちらは海上保安庁です。
この付近に停泊している船は…。
(クルー)無理だよ。
自力で動けないんですよこの船は。
(クルー)発電機がショートしてアンカーが揚がんないんですよ。
ちょっとすいません。
見せてもらっていいですか。
アンカーを捨てて巡視船で引っ張るしかないですね。
(風間康太)着水時間までに動かすのは難しいぞ。
でもやるしかありません。
すいません。
乗組員の方を集めてください。
(山路)よいしょ!お願いします。
急げ急げ!時間ねえぞ!せーの!
(戸川)お願いします!
(角倉)着水予定時刻まで50分!
(戸川)はい!
(山根)隊長!消防からの器材が5分後に到着します。
はい。
(村松)落ち着いて聞いてくれ。
この機は…東京湾へ着水する。
「着水」?乗客がパニックにならないよう冷静な行動を呼び掛けてほしい。
L3了解しました。
L4了解しました。
(村松)乗客の皆さま機長の村松です。
この機は車輪とコントロール関係に不具合が生じたため空港への正常な着陸が不可能になりました。
(どよめき)
(村松)私の判断でこの機は東京湾の海上に着水させます。
(女性)どういうこと?
(中田)落ち着いてください。
(美香)皆さん落ち着いて聞いてください。
(村松)しかしこれは決して絶望的な状況ではありません。
着水地点には海上保安庁がわれわれを待ち構えてくれています。
彼らは必ず皆さん全員を救助してくれるはずです。
私も必ず着水を成功させ皆さまを無事にご家族の元にお返しいたします。
皆さま。
乗務員の指示に従って冷静な行動をお取りください。
吉岡5分後に離陸だぞ。
(吉岡)はい。
大輔さん。
本当は俺プロポーズしたんですよ。
美香に。
見事に断られました。
「結婚はできない」って。
そうか。
でもあいつには幸せになってほしいんです。
生きて俺とじゃなくても誰かと幸せになってほしいんです。
吉岡…。
大輔さん…。
奇跡は起こりますよね?全員助かりますよね?助かるよ。
俺たちが全員助けるんだ。
今空を飛んでいる346人はみんな生きたいと願ってるんだから。
はい。
(荒川)L2ブイが南東に10mずれている。
L1ブイとL3ブイのトランジット上中間点に移動せよ。
OK!
(海上保安官)巡視船モニター結線します。
(尾北零太)課長。
誘導灯設置の進捗状況ですが千葉県警第二機動隊が防水ライトを提供してくれました。
今特救隊が中心となって着水地点に設置を始めています。
(下川)着水海域の船舶の移動は?
(三井)まだ6隻残ってます。
そのうち1隻はエンジンがかからないと。
何としても間に合わせろ。
(服部)せーの!
(クルー)無理だって。
(クルー)間に合わねえよ。
諦めないでください!もう1回せーの!
(環菜)大洋ちょっと待っててね。
今何か作るから。
(キャスター)もう一度確認します。
G−WING206便は東京湾への着水を決めたわけですね?
(リポーター)そうです。
(環菜)「着水」!?
(リポーター)乗員乗客346名の運命は村松機長と海上保安庁に託されたということになります。
(キャスター)そうですか。
ありがとうございます。
青木さんいかがですか?
(青木)これは大変な賭けですよ。
海上着水を日本で行ったということは前例がありません。
海上着水なんてホントにできるんですか?
(二ノ宮)大丈夫ですか?キャプテン。
シミュレーションさえやったことはないんですよ。
ナンバー3・4エンジンと燃料を再チェックしてくれ。
(二ノ宮)はい…。
誘導灯設置完了しました。
われわれは救助態勢に入ります。
(坂井)ヘリはいつでも出せますよ。
ありがとうございます。
しかし船長絶対的に船の数が足りません。
とても15分以内に全員を救助することは…。
足りない!?
(坂井)われわれだけで何とかするしかない。
(原田厚)船長聞いてください。
(無線の声)第一海洋丸がそっちに向かったぞ!
(無線の声)どこに行けば救助を手伝えますか?
(原田)民間の船舶無線です。
(無線の声)千城丸です。
(航海長)着水地点に集まってきます。
(無線の声)今出てる船は羽田沖に向かってくれ!
(無線の声)浅井さんとこも船出すってよ!
(無線の声)保安庁さん第五北洋丸です。
(原田)船長。
16チャンネルに一般船舶から問い合わせが…。
大輔さん…。
(無線の声)第二飛翔丸。
保安庁さん救助する地点の北緯東経を教えてください。
(無線の声)みんな動かせる船は出せよ!俺たちも行くぞ。
はい。
(無線の声)千葉2から県警災対本部。
現在救護所から災害拠点病院までの緊急交通路に人員および車両配置完了。
206便着水後…。
(無線の声)日赤茨城のdERUが今東関道の湾岸習志野インターを…。
(無線の声)千葉中央大学看護学科の学生22名が救護活動に参加を希望しています。
(無線の声)山王会病院が外科と整形科の勤務医を5名派遣してくださいました。
(無線の声)東和医科大学附属病院からDMAT2チームが到着しました。
(無線の声)対策本部から現場指揮本部。
救護所設置状況を報告せよ。
もう少しです。
頑張りましょう!
(クルー)チクショー!やってやろうじゃねえか!
(風間)その調子です!あーっ!
(一同)あーっ!
(下川)206便が着水すると同時に周囲に待機していた救助隊が直ちに接近。
ただし機体からジェット燃料が漏れてる可能性があるので機体近くではエンジンを止めること。
これは警察消防の船も同様です。
それでも接近には2分以上はかけられません。
時間がありませんから出てきた乗客は小型艇に乗せ無傷の人は巡視船に。
ケガ人はそのまま大井埠頭と千葉中央埠頭に運ぶ。
これには民間の船の協力も不可欠です。
(消防幹部)埠頭に運ばれたケガ人は現場救護所で赤十字と民間のドクターが応急処置。
重傷者はそこから救急搬送。
(消防関係者)すでに東京千葉全ての救急救命センターが受け入れ態勢を整えてくれてます。
救急車が足りないときはわれわれ警察が誘導します。
とにかく初動が重要です。
飛行機が沈む前に何としても346名全員を脱出させましょう。
(一同)はい。
(村松)乗客の皆さま。
当機は間もなく着水いたします。
衝撃が予想されますので乗務員の指示に従い安全姿勢をお取りください。
安全姿勢を取ってください。
頭を下げて安全姿勢を取ってください!まだ膨らませないでください!眼鏡ボールペンその他先のとがった物は全て外してください!
(乗客)一緒になれてよかったよ。
(泣き声)僕泳げないよ。
大丈夫。
海上保安官の人たちが助けてくれるから。
「海上保安官」?あの人たちはね毎日すごい訓練をしてるの。
人を助けるために。
だから大丈夫。
絶対大丈夫だから。
どうして分かるの?私の大好きな人が海上保安官だから。
きっとみんな助かる。
お姉さんが約束する!間もなく着水します!
(リポーター)間もなくG−WING206便が着水します。
(リポーター)乗客乗員346名の命は206便を操縦する村松機長の腕に。
そして海上保安庁消防庁警察の迅速な救出作業に懸かっています。
(角倉)これからここに346人を乗せた飛行機が降りてくる。
無事着水してもジャンボが浮いていられる時間は20分。
沈んだら水深60m。
われわれ潜水士でも手出しできない領域だ。
救助は時間との勝負だ。
(一同)はい!いいか。
いつもなら重傷者を優先するが今回は違うぞ。
動ける人から助けていかないと間に合わない。
重傷者は後回しだ。
はい。
(尾北)MH805。
206便に現場の状況を知らせ。
誘導灯設置救助態勢全て整いました。
着水海域の状況は?現在北東の風8メートル。
やや弱まりつつあります。
波も1m程度まで収まってきました。
(村松)視程は?良好です。
海上のうねりもほとんどありません。
着水地点の船舶は全て移動完了しました。
民間の作業船も待機してくれています。
近くの港にはドクターたちも駆け付けてくれています。
全員が206便の皆さんを助けるつもりでいるんです。
ここにいる全員が206便のことしか考えていません。
何としてでも海上着水を成功させてください。
村松さん。
飛行機が海にさえ降りてくれれば僕たちが必ず救助します。
206便の皆さん全員を必ず家族の元に帰します。
あなたは誘導灯の設置を提案してくれた方ですね。
お名前は?仙崎です。
仙崎さんありがとう。
あなたのおかげで勇気が湧いてきましたよ。
(村松)実は来週子供が生まれる予定なんです。
結婚10年目でやっとできた子ですからね。
会いたいですよ。
僕も2人目の子供が妻のおなかに。
今5カ月です。
(村松)そうですか。
生まれたら一緒に遊ばせましょう。
じゃあ無事に家に帰らなきゃ。
そうですよ村松さん。
G−WING206便は3分後に海上着水します。
3分後…。
着水3分前!
(一同)はい!
(風間)離船準備!
(一同)はい。
(無線の声)「とさ」船橋。
保安540離船異常なし。
全員助けるぞ。
全員。
CAも着席。
安全姿勢を取って!
(乗務員たち)はい。
キャプテン!俺たちだけじゃない。
戦ってるのは俺たちだけじゃないんだ!はい!ピッチは10度!レートを浅く!支えろ!
(無線の声)巡視船「いず」から各船。
172度方向より206便進入を確認。
総員配置に就け。
(リポーター)機体が揺れています。
海面まであとわずかです。
美香ちゃん…。
姿勢を低くしてボートに乗って。
ハイヒールは脱いで。
荷物は持たない。
機外の態勢チェック。
救命胴衣はドアの前で膨らませる。
前の人に続いてハイヒールは脱ぐ。
とがった物は全部外す…。
(無線の声)臨港指揮本部から東京消防。
間もなく着水する。
頑張れ。
(村松)安全姿勢を取れ!ブレイスフォーインパクト!
(乗務員たち)頭を下げて!ヘッドダウン!ヘッドダウン!頭を下げて!ヘッドダウン!ヘッドダウン!
(無線の声)着水確認後本船の指示により予定の救助活動を実施せよ。
(警告音)
(どよめき)
(悲鳴)
(二ノ宮・村松)んんーっ!
(悲鳴)あっ!
(二ノ宮・村松)あーっ!美香!行くぞ!
(無線の声)巡視船「いず」から各船。
着水確認。
206便沈没するまで約20分…。
(無線の声)警備艇「はるしお」から対策本部。
206便着水を確認…。
(無線の声)巡視船「はまなみ」了解。
これより針路252度進入を開始する。
(無線の声)臨港指揮本部から東京消防。
206便北緯34度23分…。
(無線の声)臨港指揮本部から各隊。
着水を確認。
各隊は206便に接近し人命救助最優先で…。
(無線の声)巡視艇「あわなみ」了解。
206便の右翼側に船位し…。
(無線の声)「いず警救艇2」了解。
現在206便右翼側L2出口…。
(無線の声)巡視艇「やまゆり」了解。
速力19ノットにて接近中。
(無線の声)火災爆発を確認!
(無線の声)206便から火炎ならびに黒煙を確認。
あっ…。
(堂上)第3エンジンに引火した。
消火しろ。
避難誘導は左翼側からだ。
降下準備よし。
降下!
(乗務員)シートベルトを外して。
落ち着いて。
落ち着いて大丈夫。
(うめき声)ベルトを外してください!
(乗務員)大丈夫ですか?落ち着いて。
シートベルトを外して。
はっ!
(市川瑞希)火災あり!そっちはダメ!脱出はこっち!
(男性)おい!おい!
(美香)ベルトを外してください!
(美香)俊介君!俊介君!逃げるのよ俊介君。
障害物OK!ハイヒールを脱いで!
(無線の声)保安805から巡視船「いず」1番員降下終了。
現在2番員降下中。
(無線の声)消防船「ひりゅう」東京消防庁ならびに千葉市消防局と連携し206便の消火活動に当たっている状況。
行くぞ!出口はあっちです。
落ち着いてください!ゆっくり落ち着いて!大丈夫ですか?
(市川)誰か手を貸してください!座席に挟まれた方が!お願いします!来て!手を貸してください!吉岡!はい!つかまって!大丈夫ですか?慌てないでください!すいません入ります!ちょっと見せてください。
行きますよ。
皆さんお願いします。
せーの!ううっ!
(角倉)仙崎どこにいる?左翼上です!
(角倉)コックピットに乗員が閉じ込められている。
外から救助するぞ!了解!
(村松)うう…ううっ…。
(美香)すいません!すいま…。
この方をお願いします!
(男性)俺?俺?誰か動けない方いませんか?ちょっとあんたも早く逃げないと!乗務員は最後に出ます。
早く行ってください!誰か動けない方いませんか?
(男性)おい!おーい!誰か動けない方いらっしゃいませんか?誰か動けない方いらっしゃいませ…。
(衝撃音)
(女性)ああっ!
(海上保安官)落ちたぞ!
(服部)大丈夫ですか?
(海上保安官たち)せーの!
(服部)もう大丈夫ですよ。
(悲鳴)
(無線の声)機体中央部に亀裂が入りました!
(伊勢原)機体が折れる!
(下川)沈むぞ。
救助を急げ!
(寺田)206便が沈み始めました。
機体中央付近で2つに割れています!飛行機飛行機!
(キャスター)寺田さん機首の辺りで救助が行われているようですね。
(寺田)は…はい。
海上保安庁の特殊救難隊ですね。
今コックピットの窓を壊しているようですね。
窓から進入し救助を行おうとしてるようです。
大輔君…。
(角倉)機長と副機長共に目視で確認。
現在ウインドシールドを開口作業中。
(無線の声)805了解。
いったん206便上空から離脱し待機する。
切断完了!
(山根)エンジンカッターもらった!入ります!
(戸川)確保解いた!大丈夫ですか?脱出しましょう!足が…。
機長の足がコンソールに挟まれています!搬出不能!エアソーとスプレッダーが必要です!
(角倉)エアソーとスプレッダーだ!
(戸川)はい!出血あり!止血します!仙崎!副機長から先に出すぞ!はい!脱出しましょう!村松さん順番に救出しますからね。
(村松)はい…。
誰かいませんか!?
(久坂)前方部にはもう乗客の方はいません。
では乗務員の方も出ましょう!
(久坂)はい。
急いで。
(山路)第三特殊救難隊から巡視船「いず」前方部はコックピットを除いて救助完了。
これより機体後方部救助活動の応援に向かう。
(海上保安官)機体後方部の状況報告を行う。
機体断裂部より浸水悪化。
現在脱出可能な出口は最後尾左翼側のみ。
機内には少なくとも100名以上の要救助者が取り残されておりパニック状態。
応援隊の派遣を要請する。
(無線の声)「いず」から各船。
現在脱出可能な出口は機体最後尾のみ。
各船保有の接舷可能な搭載艇を機体最後尾出口に向かわせよ。
お姉ちゃんは?
(美香)誰か!助けて!誰か!
(中田)落ち着いてください!大丈夫ですから!
(海上保安官)落ち着いて!
(美香)誰か!誰か助けて!誰か!誰か!せーの1・2・3!
(角倉)現在機長はコンソールと座席に両足を挟まれた状態。
意識レベル20。
村松さん…。
(角倉)特救隊2名でコンソールを破壊作業中。
要救助者の救出には時間を要するもよう。
沈没の恐れあり。
機体傾斜角の変化を…。
村松さん。
今助けますから頑張ってください。
(衝撃音)
(嶋)切断完了!嶋さん代わります。
(戸川)スプレッダー入れる!よし!もらった!
(吉岡)誰かいますか?残ってる方いませんか?
(美香)吉岡君…。
美香!
(吉岡)ケガは?
(美香)大丈夫。
(吉岡)よし。
(吉岡)ううっ!吉岡君…。
(吉岡)うああっ!絶対に助けてやるからな!美香!
(吉岡)うあーっ!うう…。
村松さんしっかり!村松さん素晴らしい着水でしたよ!村松さんが無事でなきゃ!お子さんが生まれるんでしょ!ううっ!あなたが…仙崎さん?パパになるんでしょ!絶対に帰りましょうね!ぐううっ!ううっ!
(吉岡)ううっ!うああーっ!吉岡君!ううっ!うあーっ!吉岡君…。
(吉岡)ううっ!チクショー!
(美香)吉岡君!私…。
私隠してたことがある。
私…。
(吉岡)美香!今は生きてここから出ることだけ考えろ!ああーっ!ああっ!
(リポーター)機首が持ち上がってきた!ああ!沈みそうです!黄色と黒の潜水服を着た特殊救難隊の隊員が懸命の救出活動を行っていますが…。
パパ!そうよ。
あそこの中にねパパがいるの。
パパねあそこの中の人を助けようとしてるの。
(リポーター)ただ今も隊員たちは救助活動を続けています。
(角倉)仙崎!
(戸川)仙崎さん!もう…。
みんなは離れてください!僕は残ります!村松さん。
絶対に助けますよ!うあっ!ああっ!ううっ!うあっ!ああーっ!機体が断裂。
前方部が沈みます!
(海上保安官)もうダメだ。
撤退させましょう!隊員たちが海に引きずり込まれます!
(下川)急げ仙崎!
(尾北)機体が断裂。
前方部が沈みます!
(海上保安官)もうダメだ。
(三井)撤退させましょう!隊員たちが海に引きずり込まれます!急げ仙崎!
(角倉)もう限界だ!沈むぞ!
(戸川)仙崎さん!
(戸川)仙崎さん!俺は!俺は絶対に諦めません!
(角倉)限界だ!撤収するぞ!撤収だ!嶋!仙崎!
(戸川)撤収します!
(角倉)仙崎!
(戸川)現場離脱する!
(角倉)仙崎!
(戸川)進入開始してください!撤収だ!嶋仙崎離脱しろ!
(戸川)仙崎さん!離脱してください!ああっ!ううっ!ああーっ!吉岡君…吉岡君。
(吉岡)今出してやるからな。
うおーっ!村松さん。
村松さん!村松さん!家族の元へ帰りますよ!一緒に帰りましょう!
(戸川)仙崎さんもう沈みますよ!全員で生きて帰るんです!
(戸川)限界です!要救助者に全面マスクとボンベを!俺と仙崎にもボンベをくれ!早くしろ!戸川!山根さん!ボンベを下さい!
(山根)「ボンベ」!?
(吉岡)ああーっ!出ろ!美香出ろ!
(角倉)ここは水深60mだぞ嶋!海底のへどろの中に突っ込んだらおしまいだぞ!そうなる前に3人で脱出します!そんなことできるのか!?分かりません!嶋さん…。
助けるんだろ?全員を。
はい!
(戸川)降ろせー!降ろせー!沈むぞ!早く着けろ仙崎!仙崎!代われ!はい!
(戸川)巻け!仙崎さーん!
(坂巻)ダメだ…間に合わない。
沈む!
(リポーター)206便が沈みました!
(大洋)パパ。
(キャスター)救助活動中の隊員がまだ残っていたように見えたんですが無事に脱出できたんでしょうか?
(環菜)大輔君…。
(リポーター)はい。
隊員2名はヘリでつり上げられたのですが残りの隊員数名は脱出に間に合わなかったようです。
(戸川)嶋さーん!
(リポーター)ご覧いただけますでしょうか。
村松機長です。
今村松機長が浮上してきました!うなずいています。
無事です!村松機長が救出されました。
これからヘリでつり上げられるようですね。
(海上保安官)村松機長は左足を負傷。
しかし意識ははっきりとしているもようです!・よし!
(伊勢原)村松さん…。
機体後方部の脱出を急がせろ。
(服部)機体後方部間もなく全員脱出完了です。
(衝撃音)
(悲鳴)危ない!美香!うわあ!ああーっ!吉岡君!
(吉岡)ああっ!・あ…ああっ!沈む…。
(三井)ああ…。
(海上保安官)沈むぞ!早く飛び込め!
(服部)早く!早く!うあーっ!
(美香)吉岡君!うあーっ!行け美香!お前は逃げろ!
(美香)嫌だ!美香!・
(美香)嫌!
(服部)早く逃げて!
(吉岡)早く行け美香!嫌だ!嫌!
(服部)吉岡さん!
(吉岡)服部!せーの!
(吉岡)うあっ!せーの!
(吉岡)ああーっ!服部!彼女を連れていけ!嫌!彼女の救助が先だ!服部!嫌!彼は…彼は私の!
(吉岡)美香…。
俺たちはもう他人じゃないか。
嫌!この要救助者を連れていけ服部。
嫌!嫌だ!
(服部)吉岡さん…。
行けー!
(服部)早く!早く逃げて!
(美香)嫌!やめて!吉岡君!
(服部)早く!
(美香)嫌!嫌だ!やめて!吉岡君!
(美香)吉岡君!放して!幸せになれよ美香。
(美香)吉岡君!
(服部)キャビン内で吉岡さんが天井の下敷きに!吉岡君!
(服部)特救隊の吉岡さんが…。
(美香)吉岡君!吉岡君!嫌!
(服部)特救隊の吉岡さんがまだ残っています!吉岡…。
吉岡はボンベを持ってるのか!?持ってません。
吉岡君!嫌…。
(無線の声)確認取れました。
乗客乗員全員の脱出を確認。
繰り返す。
乗客乗員全員の脱出を確認。
(無線の声)巡視艇「きりかぜ」了解。
(無線の声)巡視艇「あわなみ」から巡視船「いず」現在搭載艇から要救助者13名を揚収中。
(無線の声)巡視船「いず」から各船。
ヘリでの搬送が必要な要救助者がいる場合は報告せよ。
(無線の声)巡視船「あわかぜ」了解。
(無線の声)こちら巡視船「いず」です。
救助協力中の一般船舶は要救助者を安全な場所に避難させ千葉中央埠頭Iバース救護所に搬送を開始してください。
繰り返します。
救助協力中の一般船舶は要救助者を…。
(無線の声)千葉消防現場指揮本部から対策本部。
現在まで要救助者171名受け入れ完了。
救急隊14隊にて傷病者76名を搬送完了。
内訳にあっては…。
(リポーター)たった今情報が入りました。
沈んでいった206便の機体後方部に海上保安官が1名取り残されていたようです。
救助作業中の海上保安官1名が先ほど沈んだ206便に取り残されていたようです。
ここまで頑張ったのに…。
何でだよ。
(乗組員)これだけの人を助けたのに…。
(乗組員)海上保安官が死んじゃ意味ねえだろうが。
・
(空気の噴出音)レギュレーター取り付けよし。
バルブ開放。
残圧180。
残圧よし。
ボンベ倒す。
仙崎。
(戸川)仙崎さん…。
吉岡を捜しに行きます。
ここは水深60mですよ!
(角倉)仙崎…。
・
(空気の噴出音)
(嶋)バルブ開放。
残圧180。
残圧よし。
嶋さん…。
深々度潜水の許可をお願いします。
(角倉)60mの深々度潜水の許可をお願いします。
(三井)「深々度潜水」!?水深45m以上の潜水は規定では認められていないぞ。
(角倉)吉岡を捜しに行かせてください。
「捜しに行く」?遺体は東京湾の底だぞ!
(下川)でも…。
(下川)吉岡がそこにいるんだ。
仙崎のバディが…。
全保安官に。
(尾北)つなぎます。
(尾北)どうぞ。
みんなよく頑張ってくれた。
(下川)だがまだ終わってないぞ。
(下川)仲間を…。
仲間を海の底に置いたままにはしておけない。
潜水可能な潜水士は減圧ステージを設営し特救隊員の深々度潜水からの浮上をサポートしろ。
(嶋)仲間を迎えに行こう。
はい。
(嶋・大輔)水面よーし!
(海上保安官たち)ボンベ起こす。
オーリングよし。
(海上保安官たち)レギュレーター取り付ける。
(海上保安官たち)残圧173。
残圧よし。
後方よし。
ボンベ背負う。
水面よーし!
(リポーター)206便が沈没して10分。
機体が沈んだ地点で動きがありました。
海上保安庁の潜水士たちが次々と海に飛び込んでいきます。
何が起こっているのかと救助された乗客たちも…。
(国交省職員)今遺体捜索中です。
(尾北)生きてます!吉岡は生きてます!
(どよめき)生きてる!?
(尾北)吉岡は206便の酸素マスクで呼吸を確保していました。
(堂上)そうか…。
吉岡…。
(尾北)潜水士全員浮上。
無事生還しました!
(歓声)
(歓声)やった〜!よっしゃ〜!やりました!
(リポーター)取り残された海上保安官は無事のようです!
(大洋)パパ。
(リポーター)あっ!また潜水士が頭の上に手で大きな丸を作り合図を送っています。
「大丈夫」という意味でしょうか。
(環菜)パパだね。
(リポーター)今ボートで海上保安官を引き揚げようとしています。
(環菜)よかったね。
(リポーター)奇跡です。
われわれは今奇跡を目の当たりにしています!
(救急隊員)大丈夫ですか?グリーンシートへ向かってください。
吉岡君!
(美香)吉岡君…。
(吉岡)美香…。
あっ…あの…ちょっと搬送先の件で聞きたいことあるんでいいですか?
(救急隊員)はい。
(美香)ごめんなさい…。
ごめんなさい。
私のせいで…。
無事でよかった。
本当によかった。
私…。
吉岡君に言わなきゃいけないことがあるの。
もういいよ。
(美香)高校のとき両親が離婚したの。
あのときから結婚は…。
幸せなものだって思えなくなった。
でも私は絶対両親みたいになりたくないっていう気持ちもあった。
そうだよ。
美香は美香じゃないか。
(美香)でもダメだった!えっ?私…。
私バツイチなの。
えっ?バ…バツイチ?22のとき結婚して半年で別れた。
えっ!?
(美香)やっぱり私もダメだった!
(美香)だから怖いの…。
私…私と結婚しても絶対吉岡君後悔する。
だから…。
俺は自信がある。
必ず美香のこと幸せにする。
バツイチなんか忘れろよ!俺と2人で未来を見よう。
うん。
(尾北)緊急搬送された要救助者の命に別条はありませんでした!
(三井)全員無事。
よし!
(伊勢原)下川さん。
(伊勢原)よく頑張ってくださいました。
あの絶体絶命の状況から乗客乗員全員生還させるとは。
本当ありがとうございました。
いえ。
われわれは自分たちの任務を果たしただけです。
(下川)206便の乗客乗員を救えたのはここにいる全ての人たちの力が結集したからですよ。
みんなが空の上の346人を救いたいと願いあらんかぎりの力を注いでくれたからこそこの大きな困難を乗り越えることができた。
みんなの思いが…。
奇跡を起こしたんです。
(救急隊員)どうぞこちらへ。
(男性)大丈夫?よかった。
よかったね。
(女の子)パパ!
(俊介の祖母)ああ無事でよかった。
大丈夫?痛いとこない?
(俊介)うん。
(村松の妻)あなた…。
お前の言ってたとおりになったな。
えっ?
(嶋)全員を救助できた。
はい。
(嶋)お前は運だけの男だと思っていたがどうやらそうでもないらしい。
嶋さん…。
(嶋)でもなレスキューで一番大事なのは…。
分かってますよ。
スキルと冷静な判断でしょ?それから…。
ここだ。
(大洋の笑い声)
(環菜)大洋ねテレビ指さして「パパ」って言ったの。
えっ?
(環菜)大輔君の仕事が分かったのよ。
大人みたいな目でしっかり見てたこの子。
そっか。
案外捨てたもんじゃないかも。
今のこの世の中。
そうだよ。
みんながあんなに一つになれるんだ。
信じられるものはたくさんあるよ。
よーしよーし!よし。
もう安心して産める。
待ってるからな。
元気で生まれてこいよ。
(環菜)ねえどっちか知りたい?えっ?男の子か女の子。
先生教えてくれたの!?うん。
いや言わなくていい。
どっちでもいいんだ。
元気で生まれてくれれば。
ふーん。
でもホントはどっちか知りたいんでしょ?知りたい。
どっちどっち?あのね…。
2016/08/05(金) 21:00〜23:22
関西テレビ1
金曜プレミアム・映画「BRAVE HEARTS 海猿」[字][多][デ]【シリーズ最高傑作】
ジャンボジェット機海上着水!タイムリミットは20分…乗員乗客346人の運命は?絶体絶命の危機に命をかけて立ち向かう。そして感動のフィナーレへ!【本編ノーカット】
詳細情報
番組内容
世界最大級の天然ガスプラント「レガリア」の爆発事故から2年。仙崎大輔(伊藤英明)は自ら志願し、海難救助のエキスパートであり最も危険な事案に従事する「特殊救難隊」で後輩の吉岡(佐藤隆太)と共に海難現場の最前線にいた。
嶋副隊長(伊原剛志)の指導の下、日々苛烈な任務に就いていた2人だが、充実した毎日を送っていた。大輔の妻・環菜(加藤あい)は2人目の子を身ごもり、吉岡にはキャビンアテンダントの美香
番組内容2
(仲里依紗)という恋人ができていたのだ。
そんな折、美香の搭乗するジャンボ旅客機が羽田空港を目指し飛行中、エンジンが炎上し飛行が困難な状況に陥る。様々な救助案が検討される中、総合対策室の下川救難課長(時任三郎)は、夕闇が迫り視界が悪くなる状況の中で、前代未聞の東京湾への着水を提案する。しかし、海上着水に成功したとしてもジャンボが浮かんでいられる時間はわずか20分。機体が沈む前に乗員乗客346人
番組内容3
全員を助け出す事が出来るのか!?
特救隊や現場に駆け付けた第五管区の服部(三浦翔平)たち、警察、消防、現場周辺の関係機関を巻き込んだ空前の大救出計画を、日本中が固唾を飲んで見守る中、G−WING206便の村松機長(平山浩行)は東京湾着水に向けて降下を始める…。しかし、予想だにしない事態が仙崎たちを待ち受けていた—。
出演者
伊藤英明
加藤あい
佐藤隆太
仲里依紗
三浦翔平
平山浩行
伊原剛志
時任三郎
他
スタッフ
【原作】
佐藤秀峰(mangaonweb.com)
【原案・取材】
小森陽一 「海猿」(小学館「ヤングサンデーコミックス」)
【脚本】
福田靖
【監督】
羽住英一郎
【音楽】
佐藤直紀
【主題歌】
シェネル 『ビリーブ』(EMIミュージック・ジャパン)
ジャンル :
映画 – 邦画
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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サンプリングレート : 48kHz
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