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  ▽今西さん自費出版 

 終戦直後の混乱のなか朝鮮半島北部から引き揚げた今西儀夫(のりお)さん(79)=南丹市=が、自身も含め9人の戦争体験者の証言を集めた冊子を自費出版した。「語り継ぐ あの戦争を繰り返さない」は、ミッドウェー海戦で戦った元軍人や、幼い頃に父がビルマ(現ミャンマー)で戦死した男性など9人の証言を収録。6日に京都市で開く集会で配るほか、小中学校や図書館にも寄贈するつもりだ。

 今西さんは1936(昭和11)年、平壌の近くで生まれた。8歳の時に終戦を迎え、生活は一変する。家族5人は収容所に入れられたが、鉄条網の下の地面を手で掘った穴から脱出。陸路を南下し、何とか帰国した。京都へ向かう列車からは、「新型爆弾が落とされた」と聞いていた広島の焼け野原も見たという。

 「戦争の記憶が風化している。若い人たちが戦争を二度と繰り返さないよう、自分の体験を語っていきたい」と話す今西さん。昨年8月に京都市で開いた「戦争体験を語る会」の参加者らに声をかけ、体験談を集めた。記録として残す必要があると感じ、冊子を自費出版した。

 6日午後1時半からは、下京区のひと・まち交流館京都で「戦争体験を語り継ぐ会」を開き、今西さんが引き揚げ体験を語る。資料代500円。問い合わせは今西さん(0771・62・1075)へ。