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酒気帯び状態なのに…52歳男性が路線バス運転

記者会見で謝罪する嶋崎真英社長(右)ら=長崎市の長崎バス本社で2016年8月5日午後3時14分、今手麻衣撮影

 長崎バス(長崎市)は5日、男性運転手(52)が7月、乗務前の呼気検査で酒気帯び運転の基準値を超えるアルコールが検出されたにもかかわらず、約30人の客を乗せ約1時間、路線バスを運転していたと発表した。運転手は1回目の検査で基準値を超えたため、家族を呼んで再検査を受けさせチェックをくぐり抜けていた。安全を確保するため法律に基づいて選任される「運行管理補助者」の男性社員(68)が立ち会っていたのに黙認しており、ずさんな態勢が浮かび上がった。

 記者会見した嶋崎真英社長は「あってはならない不祥事。安全に対する意識が甘かった」と謝罪した。

 検査は運転手が呼気を吹き込むと、機械からデータが社内に送られる仕組み。同社によると、運転手は7月17日午前8時ごろ、長崎市の車庫で検査を受け、道路交通法で定められた基準値(呼気1リットル当たり0.15ミリグラム)を超える0.209ミリグラムのアルコールが検出された。内規上、再検査でアルコールが検出されれば、乗務できず、電話で呼んだ家族が機械に呼気を吹き込みパスした。立ち会った運行管理補助者は不正を見ていたが黙認したという。

 運転手は直後に路線バスを運転し、市内を約22キロ走った。利用客は計約30人に上ったが事故はなかった。

 運転手は「前夜に350ミリリットル入り缶ビールを11本飲んだ」と話す一方、「検査直前にアルコール分を含むうがい薬を使った」とも語っているという。

 同社は乗務前後の呼気検査を義務づけているが、過去約1年間で検査をしていない事例が乗務前で4件、乗務後で8件あったことも明らかにした。

 同社では7月21日、別の男性運転手(44)が同19日に乗務前の呼気検査でアルコールが検出されたため、同僚に再検査を受けさせた不正が発覚。このため、過去の測定値を基に内部調査を実施していた。

 同社は問題の運転手2人と運行管理補助者を出勤停止としており、今後処分する。5日、同社から報告を受けた国土交通省九州運輸局は「内容を精査し対応を検討する」としている。【今手麻衣】

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