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重慶鋼鉄、鉄鋼から事実上撤退 金融業に転換

2016/8/5 20:47
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 【上海=張勇祥】中国の鉄鋼大手、重慶鋼鉄は鉄鋼業に関連する資産を売却すると発表した。事実上の撤退を意味する。あわせて重慶市政府系の持ち株会社、重慶渝富資産経営管理集団の保有資産を取得する。渝富集団は傘下に銀行や証券、保険会社などを抱えており、重慶鋼鉄は金融業に衣替えすることになる。

 重慶鋼鉄は計画していた第三者割当増資も取り下げた。約50億元(760億円)を調達し、韓国の鉄鋼最大手ポスコと設立する合弁企業の設備投資に充てる予定だった。重慶鋼鉄の業態転換と増資計画の撤回で、合弁は暗礁に乗り上げる可能性が高まった。

 中国の経済成長が鈍化するなか、鉄鋼の生産量が需要を大きく上回る状況が続いている。重慶鋼鉄の2015年12月期が60億元近い最終赤字になるなど、鉄鋼業全体の収益悪化は鮮明だ。

 中国政府は年内に生産能力を4500万トン削減する目標を掲げるが、1~6月期の進捗が3割にとどまるなど遅れが目立つ。重慶鋼鉄の鉄鋼業からの事実上の撤退は、過剰な生産能力の圧縮に本腰を入れる政府の姿勢を強調する狙いがありそうだ。ただ、親会社の重慶鋼鉄集団が鉄鋼事業を続ける可能性もある。

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