速報 > 社会 > 記事

違法捜査、二審は広く認定 志布志事件で原告全員救済

2016/8/5 12:24 (2016/8/5 14:03更新)
保存
印刷
その他

 2003年の鹿児島県議選を巡る選挙違反冤罪(えんざい)事件(志布志事件)で、県警の取り調べを受けた住民が、県に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が5日、福岡高裁宮崎支部(西川知一郎裁判長)であった。一審・鹿児島地裁判決より捜査の違法性を広く認定し、救済範囲を原告6人全員に広げた。賠償額は60万~115万円。

 昨年5月の一審判決は、買収事件に関わった疑いを持たれた原告7人のうち3人に関し、違法な取り調べや逮捕・勾留があったと認定。1人当たり330万円の請求に対し、34万5千~115万円の賠償を命じた。

 逮捕・勾留され、その違法性を認められた1人を除き6人が控訴。県側は控訴しなかった。原告はいずれも起訴されていない。

 一審判決は容疑者を大声で怒鳴り、机をたたきながら「外道」という言葉で非難するような取り調べを「社会的な許容範囲を超える」と指摘。この日の二審判決は「容疑の程度に対し、過度に追及的、長時間の調べがあった。社会通念上、相当な範囲を明らかに逸脱していた」と捜査を厳しく批判した。

 事件では公選法違反の罪で住民13人が起訴されたが、公判中に死亡した1人を除く全員の無罪が確定し、公判などを通じて違法捜査が判明した。元被告らが国と県に賠償を求めた訴訟では、計約6千万円の支払いを命じる判決が確定した。

 鹿児島県警の有馬晋作首席監察官の話 判決内容を精査し、真摯に対応していきたい。

〔共同〕

保存
印刷
その他

電子版トップ速報トップ

関連キーワード

志布志事件事件原告違法捜査捜査有馬晋作鹿児島地方裁判所福岡高等裁判所

【PR】

【PR】

主要ジャンル速報

【PR】



日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報