「選挙違反の取り調べが違法」原告全員への賠償命じる

「選挙違反の取り調べが違法」原告全員への賠償命じる
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13年前の鹿児島県議会議員選挙を巡り、公職選挙法違反の疑いで警察から取り調べを受けた志布志市の住民が違法な取り調べだったとして県を訴えた裁判で、福岡高等裁判所宮崎支部は、「取り調べでは恐怖心や屈辱感を与える違法行為が行われていた」と指摘して、6人全員に賠償を命じる判決を言い渡しました。
平成15年に行われた鹿児島県議会議員選挙を巡り、公職選挙法違反の疑いで逮捕され、その後不起訴になった住民や、警察による任意の取り調べを受けた志布志市の住民合わせて7人は、取り調べは違法だったとして鹿児島県に賠償を求めました。
去年5月、1審の鹿児島地方裁判所は、違法な取り調べがあったと認定して、7人のうち3人に賠償を命じ、賠償を認められた人を含む6人が控訴していました。
5日の2審の判決で、福岡高等裁判所宮崎支部の西川知一郎裁判長は、「取り調べでは交番の窓の外に向かって大声で叫ぶよう強要したり、机をたたいたりするなど、恐怖心や屈辱感を与える違法行為が行われていた。取り調べは社会通念上認められる限度を明らかに逸脱している」と指摘し、6人全員に合わせて595万円の賠償を命じました。
この選挙を巡っては、元県議会議員や住民13人が公職選挙法違反の罪で起訴されましたが、裁判の途中で死亡した1人を除く全員の無罪が確定し、その後、国と鹿児島県に対して住民などに賠償を命じる判決が確定しています。

原告団長「涙あふれた」

判決のあとの記者会見で原告団長の浜野博さん(77)は、「判決を聞いて涙があふれてきました。不安な気持ちもあったが、絶対にいい判決が出ると信じていました。これからは、残りの人生を堂々と生きていきたい」と話していました。
また、弁護団の事務局長を務める野平康博弁護士は、「1審の判決で認められなかったことが今回の判決で認定され、救済された部分が大いにあると評価できる。警察の見立てに沿った自白の強要があったと認められている点でも非常に正しい判決だった」と話しました。

鹿児島県警「判決精査し真摯に対応」

判決について、鹿児島県警察本部の有馬晋作首席監察官は、「判決の内容を詳細に把握していないため、今後、内容を精査して真摯(しんし)に対応していきたい」というコメントを出しました。