長富由希子、畑山敦子、伊藤舞虹
2016年8月5日07時23分
児童相談所(児相)が対応した児童虐待が、2015年度に初めて10万件を超えた。暴言や脅しで子どもの心を傷つける「心理的虐待」が増えたことが影響した。親からの「SOS」を早くつかみ、地域で支援する体制づくりが課題となっている。
東京都内に住む会社員の女性(41)は5年ほど前、小学生だった長男(13)から激しく暴力を振るわれるようになった。長男は、長女(10)のことも殴ったり蹴ったりし、学校にも行かなくなった。
どうして? 長男は、女性が別れた夫から受けていた家庭内暴力(DV)を「自分が悪いからだ」と受け止めていた。
元夫から女性へのDVは約10年間にわたった。鍋のおでんを天井や壁にぶちまけられ、別室に逃げて鍵をかけると、「ドアを壊す」と脅された。そんな父親の姿に、長男は泣き叫び、長女は「許してあげて」と止めに入っては無視された。子どもが泣くと「お前の育て方が悪い」と、子どもの前で何時間も責められた。
長男の暴力がひどくなったのは…
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