今回の都知事選挙における、東京キー局のあまりに度を越した『主要
3候補のみを取り上げる姿勢』には私も苦い思いでいたことは確かだ。
2016年8月5日 金曜日
◆都知事選における偏向報道についての私見 7月31日 長谷川豊
東京都知事選当日となった。
東京の皆さんは、この暑い中、投票所に足を運ばれていることだろう。ご苦労なことである。
そして、立候補した21人の候補者の方々、大変な暑い中での選挙戦だったと思われる。自身も密着取材から経験のあることだが、夏の選挙はつらい。本当に大変だ。
何を言われたとしても、300万円の供託金を支払い、この暑い中を街頭で訴え続けた努力には、どのような結果になろうとまずは敬意を表したい。
さて、ではずっと何も言わずにいた「都知事選のメディア報道」についての意見を記したい。
メディアにいる人間として、この都知事選の間、本当に多くの方々から「長谷川の意見を聞きたい!」というお声を頂戴した。そう。『主要3候補とその他の候補者の扱いの差=偏向報道と言われてもしょうがない報道格差』についての意見である。
分かる。
皆さんのご意見は重々分かる。
はっきり言って、今回の都知事選挙における、東京キー局のあまりに度を越した『主要3候補のみを取り上げる姿勢』には私も苦い思いでいたことは確かだ。
結論から言うと、もしこれがBPOにガチで訴えられた場合…私は『確かに放送法違反と言わざるを得ない』と結論付けられる可能性があると思う。それくらい、ちょっと度を越していたことは事実だった。
いや、キー局のみんなも、おそらくだが、それは分かっている。分かった上で、でも公平にやり過ぎてしまうと面白みも全くなくなってしまうし、何よりも時間ばかりかかる上に視聴率が取れない。
今回の都知事選の特徴を一言で言えば「数字の取れる選挙」だったのだ。都知事選の話をすると、なぜか地方でまで数字を取れた。キー局の番組としてもやらざるを得ないほどに、注目が高かった。
なので、情報番組は後で怒られることを覚悟のうえで、思い切って「番組として面白い方にシフト」したのだと思う。おそらく、今回の都知事選が「度を越して」主要3候補に偏っていることは、番組を作ってる本人たちが一番よく分かっていたはずだ。それくらいやり過ぎていた。
ただ、これは私の公式チャンネルでも伝えた話だが、誤解しないでいただきたいのは…
『主要3候補』と言われる3人をのぞいて…ハッキリ言って絶対に当選できない圏内であったこと…これは事実だ。
21人全員を取り上げるのは事実上不可能だった。どう考えても人数が多すぎる上に、あまりに売名行為が行き過ぎていて、到底、地上波の影響力をもって取り上げるのは不適切と判断せざるを得ない候補もいたことが確かだったのだ。
キー局では選挙のたびに、かなりのお金をつぎ込んで「情勢調査」を行う。
テレビを見ている皆さんが「まぁある程度予想しているのかな~」と思ってらっしゃる以上に「統計学」を参考にしながら「相当に正確な調査」を行っている。結構お金もかけている。なので、今回の都知事選挙に関していえば…
主要3候補以外は、はっきり言って当選できる可能性は限りなくゼロに近かった
事は確かだと思う。そこは分かってほしい。
が、放送事業者には確かにネットなどで指摘されている通りで「放送法4条」がある。政治的公平性を義務付けている4条がある。
余りにも度を越した放送を続け過ぎてしまったために、数日前には3候補以外の有志から、ついにBPOと在京キー局4社に対し、報道姿勢の是正を求める要望書を突きつけられてしまった。
何でもその要望書によると、主要3候補以外を取り扱っている時間は、東京都知事選の全放送時間の中で
わずか3%
だったというから驚きだ。確かにこれは怒られて当然の時間である。残りの3候補で97%やってるのだから言い訳できない数字だ。
大慌てのキー局や名指しされた番組では言い逃れのための番組を投票直前になって言い訳同然の姿勢で放送。J-CASTニュースさんにあっという間に指摘されてしまっていた。
■民放の都知事選報道が急に変わった 候補者「全員」取り上げ始めた不思議(J-CAST)
この指摘は当然。おそらく、今後何らかの苦言がなされるのではないかと思う。キー局の人間もそれを覚悟の上でやったのだろう。まぁしょうがない。
この姿勢は、選挙期間中に露骨に自民党寄りの記事を書き連ねた週刊文春・新潮両誌と通ずるところがある。
今回のキー局・週刊誌の記事の書き方はつまり…
売り上げ部数の減少や
視聴率の低下からくる営業売り上げの減退
といった苦しい経営事情からくるものと推察される。本来であれば、週刊誌はいざ知らず、キー局の報道部が、ここまでの偏向報道(主要3候補97%・その他18人の候補3%)をするわけがない。ここまで露骨に数字を狙いに行くわけがない。(後略)
(私のコメント)
今回の都知事選挙は三つ巴の選挙であり、都民の関心も高く、テレビのワイドショーでも数字は取れていたようだ。しかし鳥越候補が候補者同士のテレビ討論会をドタキャンする事が相次いで、テレビ討論会はバラエティー番組で30分程度行われた程度だ。
しかも討論会に参加できるのは主要候補の3名のみであり、5~6名の候補で行われるのが普通だが、4位以下の候補がテレビに出られる機会はなかった。長谷川氏は視聴率稼ぎのために3名に絞った報道になったという事ですが、4位の上杉氏や5位の桜井氏ではテレビで何を言うか分からないから出さなかったのだ。
鳥越氏が出演をキャンセルすれば2名の論争では討論会にならないから、当然上杉氏や桜井氏を呼ばなければならなくなる。そうはしたくないからテレに討論会は鳥越氏が出ないから討論会はキャンセルされたのだろう。キャリアから言えば山口敏夫氏も討論会に参加してもおかしくはなく、山口氏は政界の裏を知っている人物だ。
選挙が終わってからテレビでも、内田都政の闇を報道し始めましたが、週刊誌も内田幹事長のブラックボックスを書き始めた。しかしこのような事はネットでは選挙期間中から明らかにされており、だから自民の増田候補から小池候補に票が流れたのだろう。鳥越候補も女性スキャンダルで墓穴を掘って浮動票が小池氏に流れた。
結果的に東京都連が押した増田氏は110万票の大差で小池氏に敗れた。これは石原のぶてる都連会長は党本部マターだと言い逃れを言っていたが、ななんとも無責任な発言だ。おかげで石原会長はじめ都連の幹部は総退陣になりましたが、だからテレビで内田都政の闇を報道できるようになった。
小池氏が当選したら、さっそく安倍総理との会見が組まれて二階幹事長との会談も行われて処分は棚上げになった。何の事は無い党本部と都連との分裂選挙であり、党本部が影では小池氏を推していたようだ。だから小池氏の自民党籍も抜かなかった。
内田自民党都連幹事長は黒い噂の絶えない人物であり、党本部でも何とかしなければならない状況であり、地方ではこのような地方のボスがいて党の公認権まで地方の幹部が握っている事が多いようだ。だから自民党総裁でも手が出せない分野がかなりある。
小池氏が都知事になった事でオリンピック利権などもメスが入る事になりましたが、内田氏が監査役になっている会社がオリンピック施設を受注していた。これらの事がブラックボックスで決まって行きますが、都議会は何の機能も果たしていない。
内田氏は山口組5代目組長の渡辺組長の舎弟であり、れっきとしたヤクザだ。このようなもとでは都議会議員の「自殺」が相次ぐのはバックにヤクザが暗躍しているからだ。猪瀬氏はこの事を告発しましたが、マスコミとヤクザは切っても切れない関係であり、森会長もマスコミとヤクザに深くかかわっている。