岡田将平
2016年8月2日13時42分
8月9日の長崎市の平和祈念式典で読み上げる平和宣言の骨子を、田上(たうえ)富久市長が2日、発表した。核兵器廃絶のために、人類の「英知」の結集を呼びかけることなどが柱。田上市長は「被爆地の強い思いを発信し、核兵器廃絶の願いを届けたい」と述べた。
オバマ米大統領が広島を訪問したことを受け、平和宣言では、被爆地訪問の意義を訴え、核保有国の首脳らに被爆地訪問を改めて求める。田上市長は「オバマ氏の訪問を契機に多くの皆さんが訪れることが重要。未来につなげるためにも、被爆地訪問の呼びかけをしたい」と語った。
核兵器廃絶を巡っては今月、スイスの国連欧州本部で核軍縮の公開作業部会が開かれる。核保有国と日本など「核の傘」に依存する国と、核兵器禁止条約の締結をめざす非保有国の間で溝が生まれており、田上市長は「(核廃絶に向け)前進してきたために壁にぶちあたっている。壁を越える英知の結集を呼びかけたい」と、立場を超えて解決策を模索するよう求める考えを示した。
昨年の宣言では、国会で審議中だった安全保障関連法への「不安と懸念」が盛り込まれた。また、平和宣言の文案を練るために被爆者らも参加した起草委員会では、憲法改正への危惧を盛り込むよう求める声も上がったが、今年の宣言ではいずれも触れないという。田上市長は「昨年入れたから、(今年も)入れるという組み立て方はしていない」と説明した。(岡田将平)
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朝日新聞社会部
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