THAAD:朴大統領を脅す人民日報、専門家はどう見るか

 人民日報は中国の共産党と政府の立場を代弁するメディアである以上、朴大統領を直接批判したことを単なる反発だと考えるべきではないとの見解もある。韓中関係に詳しい北京の消息筋は「朴大統領の態度が揺るがないため、中国としては韓国国内の反対世論に期待するしかない。朴大統領を狙ったことで、(THAADが配備される)慶尚北道星州郡の住民、野党、政権に批判的な学者やメディアなどの反THAAD世論を拡散させようとしているのではないか」と分析した。中国メディアが盧武鉉(ノ・ムヒョン)、金大中(キム・デジュン)政権の関係者や学者を招き、THAAD反対発言をさせることもその延長線上にある。

 国家安保戦略研究院のパク・ピョングァン北東アジア研究室長は「中国はまたTHAAD配備決定を撤回させられると考えているようだ。実際にTHAADが配備されるのは来年末なので、それまで撤回させる時間的な余裕があるとみて、総力戦を展開している格好だ」と分析した。外交筋は「韓米は2010年の天安爆沈事件当時、北朝鮮に圧力をかけるために米空母を西海(黄海)に招こうとしたが、中国の強い反発で実現しなかった経緯がある。それが中国に『強く迫れば韓米が譲歩する』という悪い学習効果を生んだのは事実だ」と指摘した。

 中国が必要以上にTHAADに反発しているとの分析も聞かれる。国策シンクタンク関係者は「韓国に強い圧力をかける姿を見せ、国内的にはTHAADに反対してきた習主席以下中国政府のメンツを立て、一方ではTHAAD以外の問題で韓国が今後一方的に米国に傾くことを防ぐ計算がある」と話す。

 韓国の中国専門家は「中国の意図は相手が怖がらせ、内輪もめに陥らせることであり、『戦わずして勝つ』という孫子の兵法の原理で韓国に接している」とした上で、「中国は韓国国内の反対世論と反中ムードを天びんにかけ、韓国に対する圧力を調整し、THAAD問題に対処していくのではないか。究極的には配備を延期させ、韓国の次期政権に勝負をかける意図がありそうだ」と分析した。

北京=李吉星(イ・ギルソン)特派員 , 李竜洙(イ・ヨンス)記者
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