中国共産党機関紙の人民日報は3日まで4日連続で韓国にTHAAD放棄を促したり、圧力をかけたりする内容の社説な投稿を掲載した。特に3日付社説は朴大統領を直接批判しており、これまでよりも踏み込んだ内容となっている。
今年初めに北朝鮮が4回目の核実験を行って以降、韓中両国が北朝鮮に対する制裁の在り方やTHAAD配備問題で対立した際にも中国の官営メディアが朴大統領をこれほど直接批判したことは少なかった。朴大統領が昨年9月、中国の抗日戦争勝利70周年の軍事パレードに出席し、習近平国家主席と並んで天安門の望楼に立って以降、朴大統領への直接批判は一種のタブーだった。しかし、3日の社説はそのタブーを破った。
人民日報が朴大統領を名指しまでしてTHAAD配備中止を促してきたことに対し、韓国政府は戸惑いと不快感が交錯している。THAAD配備の発表前、韓国外交部(省に相当)内部では「THAAD反対は韓国よりも米国に対するもので、配備が決まっても韓中関係は傷つかない」との分析が大勢だった。しかし、中国はTHAAD配備発表以降、韓国に相次いで脅しをかけ、3日には朴大統領に「慎重になれ」と警告するなど「レッドライン」を越えてしまった状況だ。
人民日報の社説はひとまず朴大統領の発言に対する反発と受け止められている。朴大統領は2日の国務会議(閣議)で「THAAD配備は国家と国民の安危がかかった問題であり、(配備決定を)変えることはできない」と述べた。官営メディアを総動員した中国の大規模はTHAAD反対攻勢を一蹴したものだ。中国としては国のメンツをかけても朴大統領の発言を見過ごすわけにはいかない状況だったとみられる。