タクシー初乗り1キロ410円 東京で実証実験始まる

タクシー初乗り1キロ410円 東京で実証実験始まる
国土交通省は短い距離を利用するタクシーの需要を調べようと、初乗り運賃をおよそ1キロまで410円とする実証実験を、5日から東京都内で始めました。
この実証実験は5日から来月15日までの間、東京都内で行われ、初乗り運賃は1.059キロまで410円で、その後、237メートルごとに80円ずつ加算されます。
初日の5日は、専用の乗り場が設けられた新橋駅東口でセレモニーが開かれました。乗り場には「初乗り410円」と表示されたタクシーが並び、早速、ビジネスマンやお年寄りなどが次々と乗り込んでいました。
利用客の78歳の男性は「病院まで行くのに利用しようと思います。短い距離ですが、今の時期は暑くて歩くのは大変なのでうれしいです」と話していました。
専用の乗り場は新橋駅東口のほか、今月18日までは浅草駅前にも設けられます。また、今月19日から来月1日までは新宿駅東口に、来月2日から15日までは東大病院前に専用の乗り場が設けられます。
23社、合わせて40台のタクシーが参加しますが、いわゆる「流し」での営業は行わないということです。
国土交通省は今回の実証実験を通じて、短い距離でタクシーを利用したいという需要がどれほどあるのか調べたいとしています。
東京のタクシー各社は利用客の減少に歯止めをかけようと初乗り運賃の距離を現在の2キロから半分の1キロ程度に短くして、運賃を730円から300円程度引き下げる運賃改定を申請しています。
国土交通省は実証実験の結果も踏まえ、早ければ、ことし12月にも初乗り運賃を改定することにしています。

「ちょい乗り」需要を喚起したい

東京都内のタクシー会社で作る「東京ハイヤー・タクシー協会」の川鍋一朗会長は「初乗り運賃の引き下げによって、少しの距離だけ乗る『ちょい乗り』需要を喚起し、お年寄りやビジネスマン、それに海外からの観光客などに広く利用してもらいたい。タクシーの利用者は減少傾向にあるが、ふだんから少しでも乗ってもらうことで身近なものに感じてもらい、利用者の拡大につなげたい」と話しています。