膨大な医学論文を学習した人工知能(AI)が、60代の女性患者の白血病が治療などが難しい特殊なタイプだと10分で見抜き、適切な治療法の助言で回復に貢献していたことが4日、分かった。治療した東京大医科学研究所は「医療へのAI応用に大きな手応えを感じた」としている。
同研究所が使ったのは、米国のクイズ番組で人間のチャンピオンを破った米IBMのAI「ワトソン」。同研究所はAIが患者の救命に役立ったケースは日本初ではないかとしている。
治療に関わった東條有伸教授は「AIが医療分野への応用に非常に大きな可能性を持っていることが実感できた。将来は診断や治療の方針づくりに役立つだろう」と話す。
膨大なデータの学習で的確な判断を行うAIは、多様な分野で応用が模索されているが、今後は医療への応用が本格化しそうだ。
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