これで商売やっていけるのか?足を運んで驚いた。鳴り物入りでオープンしたはずの免税店フロアに、とにかく人がいない。長らく庶民の憧れだった銀座の百貨店に、いったい何が起こっているのか。
巨大なフロアに客が2組
日本一、いや世界一のおもてなしを売りに、丁寧な接客で長年、商売を続けてきた銀座の高級デパート。近年は中国人観光客の「爆買い」の対象となり、大いに賑わってきた。
ところが最近になって、銀座の高級デパートで閑古鳥が鳴いているという。現地を歩けば、たしかにそれは明らかだった。
6月某日の午後、本誌記者は銀座の百貨店内にある免税品店を訪れた。銀座三越8階の「Japan Duty Free GINZA」は、30以上のショップが入った免税専門フロアだ。そこにいた中国人客はわずか1組で、準備中かと思うほど閑散としていた。
東急プラザ銀座内の「ロッテ免税店銀座」の惨状も目を覆うほどだ。8階と9階をぶちぬいた同店には150ものブランドやショップが入っているが、フロア中を歩きまわって発見できた中国人観光客はたった2組。案内カウンターで手持ち無沙汰にしていた女性に聞くと、「ツアーなどの団体客が来る夕方にならないと、こんなものです」と諦め顔だった。
中国の人口は日本の10倍以上。まだ日本に来ていない大金持ちはたくさんいる。爆買いはしばらく続く—。そう見越した百貨店をはじめとする小売業は、極端な中国人シフトに舵を切った。
店頭には中国語の話せるスタッフ、「タックスフリー」を全面に押し出した、中国語表記の看板。中国人が好むような商品の取り揃え……。
長く日本文化の中心だったはずの銀座に中国語が溢れ、日本人の違和感は高まっていく。
「外国人観光客への対応を強化したばかりに、外国人の店員が多くなりすぎ、その弊害が目に見えるようになってきました。言葉を優先して中国人をかき集めたものですから、当然、商品知識や日本語の能力は日本人に比べて著しく劣っている。
日本人のお客様からすれば、自分が聞きたい情報が得られないため、購入に結びつかないケースが増えています」(銀座の百貨店店員)
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